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『これからの住宅設計』(ID:0000230971) 読者登録解除フォーム
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■ メールマガジン・
・・・・・・バックナンバー第032号

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  ・・・これからの住宅設計・・・      第032号(2008.01.31)

   建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
                published by commonplace studio
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「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を、読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。

建築設計、住宅設計に関わる話題を取り上げ、住宅設計者としての経験や理念
をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機会を提供するこ
とを目指しています。

読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。



                        コモンプレイス スタジオ
                          代表  池澤 雅弘




※バックナンバーは下記ホームページでも御覧いただけます。
 誤字等も含めて、記事の訂正が必要な場合は、ホームページ上で修正させて
 いただいています。

                      http://www.commonplace.jp/



■目次

 01 今週のコラム--------------「法改正による混乱」
 02 住宅設計入門--------------No.32 時間を意識する
 03 建築材料めぐり------------No.06 瓦
 


///// 01 今週のコラム //////


「法改正による混乱」

昨年の6月20日に建築基準法が改正された影響で建築現場に大きな混乱が生じ
ています。なぜ建築基準法の改正により建築現場が大きな影響を受けるのか、
以前にこのコラム(第023号 平成19年9月13日発行)で紹介させていただきま
したので具体的な改正の内容についてはそちらをご参照ください。今回は改正
が行われ半年以上が経過し、建築業界全体にどのような影響が出ているかお話
させていただきたいと思います。

国土交通省が1月31日発表した2007年の新設住宅着工戸数は、前年比17.8パー
セント減の106万741戸にとどまり、5年ぶりに前年を下回りました。110万戸を
割り込んだのは1967年以来40年ぶりということです。特に構造の二重チェック
が必要になる物件が多い分譲マンションの着工数の落ち込みはひどく、10月の
首都圏における着工数は前年同月比73パーセント減でした。(11月は59.2パー
セント減)年間を通しても29.2パーセント減という数字がでています。まさに
法改正の影響を諸に受けてしまった数字です。

確認審査期間も長くなり法的には21日から35日に延長され、構造計算適合性判
定が必要な建物においては最大70日に改正されましたが、実際は戸建住宅など
で2ヶ月、構造計算適合性判定が必要なマンションで4ヶ月程度かかることが多
いようです。これは法改正の細部を定めた告示などの発行が遅れたため、確認
審査機関は明確でない運用基準で細部に渡るまでチェックを行うので、結局確
認申請の出し直しを見込まなければ確認が下りない状況だったからです。

今まで21日で下りていた確認申請が120日掛かることになれば、当然人件費も
銀行からの借入金利子も多額になり、マンションの販売価格に影響が出てきま
す。ただでさえ首都圏では土地の値段が上がり始めマンション価格が上昇して
いる時期なのにそれに拍車をかける状況です。その上、原油、アルミ、銅など
の価格上昇の影響を受け住設機器各社は今年の4月までに5パーセントから10パ
ーセント程度の値上げを予定しています。マンションディベロッパーとしては
明らかに販売上有利な土地以外ではなかなか開発に踏み切れない状況ではない
でしょうか。

法改正は技術者を信用する「性善説」からそれを疑う「性悪説」に転換させた
もので、不当に利益を得るために鉄筋の本数を半分にした技術者も、たまたま
小さな窓の位置を間違えてしまった技術者も同等に扱われる改正です。私がお
付き合いさせていただいた構造技術者の中には自分の都合で壊れてしまうよう
な建物を設計する者は(当然のことですが)一人もいませんでした。殆ど図面
を見ていなかった事例を基に、僅かでも整合性の無い設計は全て不可とする改
正はナンセンスだと個人的には感じていますが、皆様どのように感じられます
か。

規制により犯罪を無くすことは不可能だと思います。ルール無用の犯罪者は想
像もつかない方法で自分の目的を達成しようとします。そのような罪深き確信
犯を除けば、建築基準法違反の罪を重くした上で、審査員が基本的なチェック
を行い図面にサインをすることを義務付けてれば偽装は防げるのではないでし
ょか。大切なのは細かい数字ではなく申請を提出した技術者が偽装を犯すよう
な人間かどうか図面から判断することだと思います。その上で確認申請とは別
に不信感を持つ(あるいは安心感を持ちたい)建主のために構造計算判定を行
える機関を設ければよいのではないでしょうか。

エコノミストからは「設備投資や個人消費が堅調でなければ景気後退に繋がり
建築基準法改正が戦犯にされていたはず」という声がでていいます。まさに他
の産業の好景気を食いつぶすような状況です。国交省によってもたらされた官
製不況はいつまで続くのでしょうか。法改正の混乱は運用規定の発行などによ
り、落ち着く方向に進んでいますが混乱が収束するまでには数年間かかるとい
われています。一度決めたことを押し通すのではなく、間違っていると思った
ら修正していく柔軟さが必要だと思います。






///// 02 住宅設計入門 //////

ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に関するアドバイス
をさせていただきます。

第32回のテーマは「時間を意識する」

住宅を建てようと思われている方は将来自分が住むことになる空間を意識する
と思われますが時間を意識することは少ないかもしれません。しかし空間と一
緒に時間を意識することは建築の設計にとても大切なことです。時間を意識す
ることによって、空間がどのように使われ自分の生活にどのような影響を与え
るか大きく変化します。

時間を設計に取り入れるとき、色々なスパンで時間を考えてみる必要がありま
す。先ず自分の一日の生活を時間を追って意識してみます。何時に起きて、何
時に朝食を取りといったことを意識的に記憶します。その生活パターンによっ
て設計内容が変るはずです。例えば同じような時間に出勤通学に出かける家族
であれば、トイレや洗面台が複数あった方が良いと思います。家族で起きる時
間がまちまちであれば、熟睡できる工夫が必要になるかも知れません。帰宅す
る時間が違い、子供達だけの時間帯が多くなるようであればセキュリティの強
化の必要性を考える方もいるでしょう。時間を意識することでその部屋、その
設備がどのような使われ方をするか具体的に解かるようになってきます。

スパンを長くして1年間で考えて見ます。春夏秋冬どのような時間の使い方を
しているか意識します。また1月から12月まで家族で行う習慣、行事なども考
えて見ます。そこからは「桜が見える窓がほしい」とか、「夏にバーベキュー
が出来る庭がほしい」あるいは「正月に人が集まる場所が必要」といったこと
に気がつきます。結局、生活行為の分析をしている訳ですが、その時間をどれ
だけ有意義に過せるか考えることは楽しいことですし、住宅設計を行う上で必
要なことだと思います。

建築にとって最も意識するのが数十年といった長いスパンの時間です。こちら
は家族構成の変化、構造耐力の必要性などを強く意識させられます。また時間
を経過した住宅は趣があり、そこで過した出来事の蓄積があるはずです。それ
を心地よいものにするような工夫を住宅をつくる段階から意識することもある
と思います。一生使えるような家具を設えたり、特徴的な窓を設けたり、広い
土間の遊び場をつくる等設計に盛り込めば、家族はそれを意識して長い年月生
活を送るようになり共通の認識(思い出)が残ります。

時間の経過を意識することによって多くの発見があり、それを設計に取り入れ
ることで、計画性や合理性と将来の生活に対する夢を手に入れることができま
す。





///// 03 建築材料めぐり //////

建物と建築材料の関係を考えながら、メーカーのホームページを通じてそれぞ
れの材料を紹介させていただきます。


   No06 「瓦」

瓦は建材として昔から親しまれ、歴史的建造物にも多く用いられています。日
本に瓦が伝来したのは飛鳥寺建立のために6世紀末に使用さたのが最初で、そ
の後仏教興隆政策と律令制度の確立によって急速に地方へ広がりました。しか
し昔は瓦は特別な建物に使われる建材であり、意外にも住宅に広く用いられる
ようになったのは明治以降のことです。

最近は耐震性の必要性や経済性の影響で瓦葺の屋根は減る傾向にありますが、
日本の伝統文化といえる瓦屋根には多くの特徴があり優れた建材です。材質の
変化が少なく防水性が優れていて、耐圧性があり積雪加重や耐風圧性能にも優
れています。さらに住宅用の瓦でも50年から100年の耐久性があり遮音性、通
気性もあります。

多くの利点がある瓦ですが、一番の特徴は美しさにあると思います。重厚で規
則正しく並ぶ瓦がそびえる屋根は、日本建築美の象徴です。瓦そのものも美し
く、和瓦の落ち着いた色調、適度に光沢がある洋瓦等、形状や色も多くの種類
があり個性的な外観を表現できます。

下記にご紹介するホームページは瓦について詳しい情報を提供してくれていま
す。瓦Web、淡路瓦、大和製瓦株式会社のページには瓦についての基礎知識が
記載されています。瓦屋根ドットコムの屋根材電子カタログは、種類が豊富で
とても参考になります。全瓦連のページは瓦屋根の写真が沢山掲載されていま
す。輸入建材業者のアレックスのページにはスペイン瓦の写真が豊富です。い
んてりあ図鑑の屋根材のページは多くの屋根材の特徴を解かりやすく紹介して
います。

日本の伝統美である瓦屋根の特徴を見直し、さらにスペイン瓦等の洋瓦の知識
を深めることにより、屋根としての機能や建築の外観に対する選択を豊富にし
てくれます。是非ご参考にしてください。


瓦Web        http://www.kawara.gr.jp/index.cgi

淡路瓦       http://www.a-kawara.jp/index.html

大和製瓦株式会社  http://daiwa-kawara.com/cgi/sb/log/glossary/tile/

瓦屋根ドットコム  http://www.kawarayane.com/

アレックス     http://www.alexs.jp/campaign/campspanishroof/

全瓦連       http://www.yane.or.jp/

いんてりあ図鑑-屋根材  http://www.icoffice.co.jp/zukan/z_roof.htm





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■コモンプレイス スタジオは建築士事務所です。

 住宅の設計依頼は勿論、設計事務所の敷居が高く感じているお客さまに対し
 てメニューを用意しています。

1.お客様が書いたスケッチから設計図を作ります。工務店に設計施工を任せて
 しまう場合図面があるとお客さまの意図が明確に伝わり、自分の理想に近い
 形で家創りが進められます。

2.工務店に全てを任せてしまうと工事が進むうちに不安になることや、疑問点
 が出てくると思います。そのような場合のアドバイスを行います。

3.マンション購入の際、フリープラン等のオプションがある場合に図面を作成
 し、お客様の理想に近い空間を作るお手伝いをします。

その他、誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指してお
りますので是非ホームページをご覧ください。

                  http://www.commonplace.jp/
                    
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【発 行】コモンプレイス スタジオ     commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘            masahiro ikezawa
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