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・・・これからの住宅設計・・・ 第058号(2012.12.18)
建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
published by commonplace studio
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東日本大震災により被災された皆様、ご家族、関係者の皆様に心よりお見舞い
申し上げます。被災地の一日も早い復興をお祈りいたします。
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「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。
建築設計、住宅設計に関わる話題を取り上げ、住宅設計者としての経験や理念
をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機会を提供するこ
とを目指しています。
読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。
コモンプレイス スタジオ
代表 池澤 雅弘
※集合住宅の計画案(ボリュームチェック)を行います。長年の経験に基づく
提案をさせていただきますのでご相談下さい。
※バックナンバーは下記ホームページでも御覧いただけます。
誤字等も含めて、記事の訂正が必要な場合は、ホームページ上で修正させて
いただいています。
http://www.commonplace.jp/
■目次
01 コラム -----------------「好みと時間の問題」
02 住宅設計入門--------------No.58 要望のまとめかた
03 word of life--------------No.06 スマートハウス
///// 01 コラム //////
「好みと時間の問題」
建築雑誌をパラパラとめくっていると、アパートの家屋が敷地内に転々と分か
れて建っている作品に出会いました。都心から少し離れた住宅密集地域である
にもかかわらず、それぞれの住棟が離れているようで離れていないような関係
から緊張感ある空間をつくり出し、さまざまな生活事象を生み出しています。
そこに生活する人々は通常の横並びのアパートから得ることのできない刺激を
受けつつ、人の温もりを感じながらゆっくりと穏やかでもある空間を感じ取る
ことができるのではないでしょうか。多くの建築家は都市に存在する細く薄暗
い路地が好きです。都会のビルとビルの間に生まれる細い路地に空間の魅力が
凝縮されています。そこには都市のエネルギーが結集しているように感じると
同時にずっと昔からそこに存在する穏やかさがあります。
そのような緊張感と穏やかさが共存する住宅ですが、見方を変えればとても住
みにくい住宅でもあります。プライバシーの侵害、小さな人溜りが生み出す騒
音、隙間風やゴミ溜りが生まれやすいといった欠点も生じます。これらはそこ
に住む人々の倫理観で解決できることかもしれませんが、それよりも個々のパ
ーソナリティの問題の方が大きいと思われます。そして、写真から感じ取れる
豊かな生活の瞬間は常ではないことに気が付かなければなりません。刺激的な
空間は時には人生を豊かにしますが、不愉快を生み出すこともあります。空間
の新しい可能性を効果的に表現した優れた作品ですが、一般解とはならないと
私は考えます。
最近の分譲住宅や一部のハウスメーカーが提供する住宅の中には、著名な建築
家のアイディアを一部引用したような住宅が見られます。しかし、その住宅が
生み出す空間が入居者によって効果的になることは少なく、入居者の好みと時
間帯により逆効果となってしまいます。新しい手法は素晴らしい未来を期待さ
せ、さらに非常に効果的なプレゼンテーションが行われるため惑わされてしま
う方も多いと思います。一度思いっきり否定してしまい、それでも惹かれるな
らば検討の価値はあるかもしれません。作品的空間効果と日常的空間効果とは
違うことを意識することが大切です。人は建物を選ぶことができますが、作品
も人を選んでしまいます。
///// 02 住宅設計入門 //////
ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に関するアドバイス
をさせていただきます。
第58回のテーマは「要望のまとめかた」
住宅の設計を依頼した時、多くの要望を伝えると思います。この要望によって
設計者は設計を進めるのでとても大切なものです。要望によってまったく違っ
た家が出来ると言っても言い過ぎではないでしょう。しかし、実現可能で効果
的な要望をまとめることは非常に難しいことだと思います。建築主が専門家で
あれば可能かも知れませんが、通常は要望が多すぎて敷地条件に納まりきらな
くなってしまいます。
実現可能で効果的な要望をまとめるコツは思いついた要望を羅列して提示する
のではなく「無」からはじめることだと思います。具体的な要望は言わずに、
こんな家がほしいという抽象的な話を沢山して後は設計者に任せて最初の案を
提示してもらいます。設計者の選択が適切であれば家族構成、敷地条件、建築
主からの印象で勝手に気を利かせてその時点では明確化されていない内なる要
望がある程度表現された案を提示してくるはずです。その案に光るもの感じた
らじっくり見て修正を加える方法が有効な手段です。
この方法で注意しなければならないのは、必ず設計者本人と打合せを行うこと
と数回の打合せで判断することが大変重要です。具体的なことをいわないわけ
ですから設計者本人とのディスカッションが必要です。話をしていく内に段々
と具体的なイメージが出来上がっていくはずです。また、だらだらと打合せの
回数を増やすと建築主、設計者双方の不幸になりますから、1案か2案提示し
てもらい違うと思ったら設計者を変えた方がよいと思います。
建築は本来、空間さえ確保されていれば住宅にも事務所にも病院にもすること
ができます。その空間を仕切り装飾する方法は無限にあり、もともと存在すも
の(既存の構成やユニット)をつなぎ合わせる方法は本来の設計手法ではあり
ません。文学に似ているとよく言われることは間違っていないと思います。
ディスカッションから潜在する意識を掘り出し具体的な形を生み出すことは建
築の本質を見紛うことの無い合理的な手法です。
///// 03 word of life //////
ここでは住生活にかかわる言葉を取り上げ、その言葉と住宅の関りについて考
えてます。
社会現象用語から商品名まで幅広く取り上げて行きたいと思います。
第6回のテーマは「スマートハウス」
最近とてもよく耳にするようなったスマートハウスという言葉は30年ほど前
からあり、家電や設備機器の最適制御機能(ホームオートメーション機能)を
持った住宅を表します。時代とともにその機能は変わり以前はセキュリティや
空調調整機能が中心でしたが現在ではHEMS(home energy management
system)を備えた住宅、すなわち家電、太陽光発電、蓄電池、電気自動車等を
一元的に管理する住宅という意味で使われることが多いと思います。そして、
HEMSに付加する形でスマートメーターが用いられるようになっています。
スマートメーターはデジタルで電力を計測し自動検針が可能になるため現時点
での電力使用量がわかり節電に役立ちます。また、メーター内に通信機能も備
えているので、電力会社はオンラインで電気の使用量を把握することができま
す。さらに、一定の地域の電力制御機能としてスマートグリッドという電力網
の普及が進められようとしています。各家庭の電力情報を地域内で自動的に把
握し、供給側、需要側両方から制御し最適化することができます。
このように電力制御の広がりが進められていますが、スマートグリッドが普及
するにはかなりの時間が掛かりそうです。一部の住宅にスマートメーターを使
用しているだけでは成立しませんからその地域全世帯の電気メーターをスマー
トメーターに交換する必要があります。環境問題への貢献が期待されますが普
及させるために大量の廃材が発生します。普及すればCO2削減には効果がある
と思われますが、機器のメンテナンスやピークシフトに必要な蓄電池の維持交
換費用等が掛かるので安価な電力供給に繋がるまでには時間が掛かると思いま
す。しかし、自然環境に貢献し災害にも強い、きれいで安定した電力の供給シ
ステムとして推進されていくことでしょう。
スマートハウスは外出先からスマートフォンを使って空調の制御や風呂の湯沸
しや電気の消し忘れの確認などを可能にします。また、室温の変化により天井
扇が自動的に回り空気を循環させたり、ブラインドの開閉もできます。いろい
ろ便利ではありますが、私はややこしくてあまりありがたく感じません。出か
けてからできることが当たり前になれば家を出る前に家電のスイッチを切らな
くなり、忙しくて出先から消すのを忘れたなどということが起きそうです。家
を出るときにしっかりけじめを付けたいと思うのは私だけでしょうか。暑く感
じれば自分で窓を開け、寒ければ着込むという行動を伴うほうが楽しい生き方
のような気もします。
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■コモンプレイス スタジオは東京杉並区の一級建築士事務所です。
小さな事務所ですが打合せスペースを設けましたので住宅設計について何か
ご相談がある方は是非お越しください。(相談は無料です。)不在のことも
多いので、おいでくださる方は事前に電話またはメールでご連絡お願い致し
ます。
住所・TEL
〒166-0003
東京都杉並区高円寺南3-48-14 メゾンムラオカ406号室
TEL 03-5913-8963
FAX 03-5913-8964
※集合住宅の計画案(ボリュームチェック)を行います。長年の経験に基づく
提案をさせていただきますのでご相談下さい。
戸建住宅のご相談及びラフプランの作成を無料で承ります。お気軽にご連絡
下さい。仕事が重複している場合お時間をいただくこともあります。お許し
下さい。
長い年月、設計事務所に勤務した経験を生かし徹底した現場監理を行い安全
で健康的な住宅をご依頼主に提供します。
ご依頼主との対話を重視し、アイディアを提供し着実に理想の家創りを進め
て行きます。
誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指しております
ので是非ホームページをご覧ください。
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【発 行】コモンプレイス スタジオ commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘 masahiro ikezawa
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配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000230971.html
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