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『まぐまぐ!』から発行しています。
■ メールマガジン・・・・・・・バックナンバー第039号
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・・・これからの住宅設計・・・ 第039号(2008.09.30)
建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
published by commonplace studio
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「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を、読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。
建築設計、住宅設計に関わる話題を取り上げ、住宅設計者としての経験や理念
をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機会を提供するこ
とを目指しています。
読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。
コモンプレイス スタジオ
代表 池澤 雅弘
※バックナンバーは下記ホームページでも御覧いただけます。
誤字等も含めて、記事の訂正が必要な場合は、ホームページ上で修正させて
いただいています。
http://www.commonplace.jp/
■目次
01 今週のコラム--------------「建てるか買うか」
02 住宅設計入門--------------No.39 「必然的要素」
///// 01 今週のコラム //////
「建てるか買うか」
私が学生の頃、設計を志すのであればアトリエ事務所に進むべきだとよく言わ
れました。アトリエ事務所とは名が通った建築家が少人数で設計活動をしてい
る事務所のことで、工房のような独特の雰囲気があります。建築行為は経済行
為でもありますが、アトリエ事務所では採算性よりも作品としての価値を重視
します。営業活動は殆ど行いませんが、自分たちの作品は専門誌等で発表し、
その評価によって次の仕事に繋がって行くことが多いと思います。つまらない
作品を世に発表したりすると評判が一気に下がり、仕事が無くなってしまいま
すから一つ一つの建物を時間を掛けて創り上げて行きます。ごく一部の作家を
除いて時間を掛けたからといって設計料が上がるわけではないので収入は余り
期待で来ません。また作業時間も膨大となり所員は生活の全てを設計作業に投
入しなけれならない事務所が多いと思います。
施主の立場からすれば、同じ様な金額で丁寧に家を設計してくれるのであれば
有難いと思われるかも知れませんが、アトリエ事務所は先に書かせて頂いたよ
うに作品性を重視するので、建築家の意に反する施主の要望を受け入れないこ
ともあります。また常に新しい表現を求められていることもあり、新しい工法
(納まり)にもチャレンジしますので失敗すれば施主に迷惑を掛けることもあ
ると思います。
設計料が一般的な金額といっても、設計料を取ること自体余計な出費と考えら
れる施主も多いはずです。日本の住宅はどちらかと言うと設計料を出費せずに
建てる方が一般的で、設計事務所を使うことが贅沢な行為と思われているので
はないでしょうか。ハウスメーカーの住宅や分譲マンションはどちらかという
と家を建てるよりも「買う」という感覚だと思います。「買う」ことを選択す
れば使い勝手が良く、安全性も高い家が簡単に手に入ります。ハウスメーカー
やマンションディベロッパーが日々努力を重ね質の良い住宅を世に提供して来
たことは事実だと思いますので私は「買う」ことを否定しません。
私は大学を卒業した後、アトリエ事務所にお世話になりました。その後、集合
住宅の設計で評価を得ている事務所に転職し、多くのマンションディベロッパ
ーと一緒に仕事をさせていただきましたので、住宅を「建てる」にしても「買
う」にしても、それを提供する側は懸命に住宅をつくっていることを知ってい
ます。ただ私が先に書いたやや自虐的な文章に少しでも何か惹かれるものを感
じた方は「建てる」ことに挑戦してみて欲しいと思います。その際は建築家の
選択を誤らないように注意してください。ご自分と波長が合う建築家を選ばれ
ることが大切です。
///// 02 住宅設計入門 //////
ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に関するアドバイス
をさせていただきます。
第39回のテーマは「必然的要素」
建築の意匠は本来建築の中に存在するものをデザインし構築するものだとよく
言われます。具体的に例を挙げさせていただけば、柱や梁等の構造的要素、壁
や屋根等の外見的な要素、窓や階段等の機能的要素、全て建築に欠かせないも
のです。これらをデザインして建築を創るべきで、壁に絵を描いた様なデザイ
ンや看板を付けたようなデザインは建築の構成からはずれ、これらを強調する
とハリボテ建築になってしうということをよく言われました。ハリボテ建築の
わかりやすい例は、建築といえないかも知れませんがアヒルの形をした遊覧船
などをイメージしていただければご理解いただけるのではないでしょうか。
アヒルの遊覧船もそれなりに存在理由は有るのですが、建築を創ることを志し
た以上、力と力、材と材、光と影、機能と生活、過去と未来が混ざりあう必然
的要素を構築し空間を創りだしたいものです。必然的要素という言葉を使わせ
ていただきましたが、空間を意識するとそこに色々な要素がぶつかり合い、そ
れを巧みに構成することにより自然や風土、歴史等が日常と結ばれるようにな
ると思います。必然的に存在してしまうものをどのように取り扱うことが出来
るかは、建築を創る上で根源的な課題であり、上手く解決できれば人が生活す
るうえで大切な要素を空間の中に取り入れることが出来ます。
建築が先か空間が先かということを考えれば恐らく空間が先に存在して、その
空間を充実させる為に、柱や梁や窓が出来て来たはずです。そして欲望を満た
す為、非常に多くの要素を空間の中に取り入れ多種多様の建築が生まれてきた
のだと思います。ただ現在では経済性、合理性という要素が加わり、生活の器
としての機能を満たす為に情緒的な部分は削除されてしまう傾向があるようで
す。
住宅を創るとき、空間を構成する必然的要素に目を向けてみることは大切なこ
とだと思います。その上で合理性を追求しても良いのではないでしょうか。建
築の中に存在しなければならないものが、家の中でどうあるべきか意識してみ
ると住宅に対する考え方がちがってくるはずです。一つ一つの窓の意味、力と
力を結び付けている柱、梁、日常を包み込む光と影等を感じとっていただきた
いと思います。
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■コモンプレイス スタジオは建築士事務所です。
※今現在、仕事が重複し新たなお客様への対応はお時間を頂くことになってし
まいます。大変申し訳ございませんが、ご依頼は状況をメールにてご確認の上
お願いいたします。
住宅の設計依頼は勿論、設計事務所の敷居が高く感じているお客さまに対し
てメニューを用意しています。
誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指しております
ので是非ホームページをご覧ください。
http://www.commonplace.jp/
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【発 行】コモンプレイス スタジオ commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘 masahiro ikezawa
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Copyright(C)2007 commonplace studio ALL Rights Reserved.
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