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『まぐまぐ!』から発行しています。
■ メールマガジン・・・・・・・バックナンバー第038号
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・・・これからの住宅設計・・・ 第038号(2008.08.03)
建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
published by commonplace studio
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「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を、読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。
建築設計、住宅設計に関わる話題を取り上げ、住宅設計者としての経験や理念
をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機会を提供するこ
とを目指しています。
読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。
コモンプレイス スタジオ
代表 池澤 雅弘
※バックナンバーは下記ホームページでも御覧いただけます。
誤字等も含めて、記事の訂正が必要な場合は、ホームページ上で修正させて
いただいています。
http://www.commonplace.jp/
■目次
01 今週のコラム--------------「秩序と創造」
02 住宅設計入門--------------No.38 構造耐力について
03 建築材料めぐり------------No.12 ガラス
///// 01 今週のコラム //////
「秩序と創造」
先日、産経新聞のバックナンバーを見ていたらグラフィックデザイナー亀倉雄
策氏(1915〜1997年)が創ったニッポン放送開局のポスターが紹介されていま
した。七色の水玉がマイクから弾け飛ぶ図案です。色の構成、文字の大きさと
レイアウトがピタリと決まっていて、その上絵に躍動感があり解かりやすくメ
ッセージを伝えている素晴らしい作品です。本当にいつまでみていても飽きな
い図案です。
素晴らしい作品に出会うといつも感じるのは、創造は秩序の上に成立っている
ということです。秩序とは物事の基本として守るべきものと捉えていただきた
いのですが、これを先ず守るということがデザイナー、芸術家にとってとても
大変なことなのです。ピアノの演奏を例に挙げれば、難曲を演奏しようと思っ
たときその曲を間違いなく弾ける技術がベースになります。その上で微妙にリ
ズムをずらしたり、強弱を加えながら曲想を付けて自分の音楽を表現していき
ます。つまり生き生きとした演奏を表現するには、その曲を譜面どおりに弾く
技術を必要とし、その技術に長けていればいるほど創造の幅も広がります。
建築のデザインにも多くの基本があり、それを守らなくては成立たない部分も
あります。かなり独創的なデザインの建物でもこの基本は守られていることが
多く、閃いた発想を実現する為には技術的にも優れていなければなりません。
また秩序を十分に意識させた上でそれを意識的に乱す手法もあります。これも
前衛的と捉えられこともありますが、しっかりした秩序がベースにあれば少々
の乱れがあっても作品そのものを破滅させることはありません。むしろそれが
「冷静の中の躍動」を生み出し生き生きとした作品となります。
先に挙げさせていただいた亀倉雄策氏の作品の水玉のはじける躍動感はまさに
秩序が生み出したものです。多くの知識と鍛錬の上に成立った作品だと思いま
す。知識と技術は絵を描く為の絵の具のようなもので、少しでも色数を増やし
たほうが表現の幅が広がります。それ増やす努力を続けなければ創造の海を自
由に泳ぎまわることは不可能だと思います。なぜか名前を残すような芸術家は
それをいつの間にか身に着けていて、自由自在に表現しているような気がしま
す。才能の奥深さを感じます。
///// 02 住宅設計入門 //////
ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に関するアドバイス
をさせていただきます。
第38回のテーマは「構造耐力について」
大きな地震が立て続きに発生して自分の家が倒壊することはないか心配してい
る方もいらっしゃると思います。建築を設計する時、経済的な理由から構造耐
力の目標値を「法基準クリア」とすることが多いと思います。確認申請が許可
されないということもあるのですが、国の基準に従っておけば先ず安全だろう
という判断です。現在の法基準は何度かの法改正を重ねかなり安全な基準にな
ってきていると思いますが、今から30年ほど前は現在よりもかなり緩い基準で
あった訳で、安全に関する考え方は時代によって変るのではないでしょうか。
今後どのような規模の地震に巡り合うか予測できないのですから、余裕を持っ
た設計が必要だと思います。その上将来太陽光発電等の機器を屋根に載せるよ
うなことがあった場合、規準ギリギリでは載せることは出来ません。また構造
部分(躯体工事)にかかる費用を2割程度増やすと建物の耐力は飛躍的に向上
するといわれており、住宅のように仕様を個人で決めるられる建物では、余裕
を持った構造計画を考えてみても良いと思います。
住宅の建築構造を決定する要因は主に風力と地震と積雪に拠る力です。木造、
鉄筋コンクリートの壁構造、レンガ等の組積造等では壁量(壁長)によって風
や地震に対する耐力が決まります。風力は建物をX方向、Y方向に分けてそれぞ
れの面の風を受ける力に耐えうる壁量(壁長)がその直角方向に必要になりま
す。例えば長方形の平面で南側が長辺であれば、その直角方向の東西面の壁が
南北面より多く必要になります。地震は「X方向、Y方向同じ力が働く」と考え
ますので両方向に地震力に耐えうる壁量(壁長)が必要になります。詳しい内
容については省略させていただきますが、感覚的に壁量(壁長)の決め方がお
解りいただけたと思います。木造の場合は壁が少ないときは筋交を太くして耐
力をまかなうようにします。それでも足りなければ、開口を小さくしたり望ま
ぬ部分に壁が出てきたりするのでプランに影響が出てきます。間取りを考える
ときにある程度構造のことも考慮しなければなりません。
木造の場合、構造が華奢な建物は軽度の地震であっても気持ちの悪い揺れ方を
します。構造的に頑丈な建物でも地震が来れば当然揺れますが、確り荷重を支
えているような揺れ方をします。災害に備えるだけでなく日常の生活に安心感
をもたらす効果もあると思いますので、構造に贅沢をしてみてはいかがでしょ
うか。
///// 03 建築材料めぐり //////
建物と建築材料の関係を考えながら、メーカーのホームページを通じてそれぞ
れの材料を紹介させていただきます。
No12 「ガラス」
最近はマンション等でも使用されるガラスの種類は増え、多様性を感じます。
20年ほど前はフロートガラス、型ガラス、網入ガラス、強化ガラスの4種類程
度でしたが、現在では複層ガラス、合わせガラス、熱線吸収ガラス、熱線反射
ガラス等が使われるようになってきました。特に複層ガラスはエコガラスとし
て広く普及しています。マンションでは当たり前のように使われている状況で
す。さらに2枚のガラスの間に強化膜を入れた防犯ガラスも良く使われていま
す。個々のガラスについての詳しい説明は下記のホームページをご参照くださ
い。その他の特殊ガラスも含めとても詳しく説明されています。
私が子供の頃は磨きガラスがどこの家にも残っていました。現在殆どの透明板
ガラスはフロートガラスといって鉄板の上にガラスを流し連続製板されたガラ
スが使われています。磨きガラスよりも平滑で丈夫です。磨きガラスは製板さ
れたガラスを磨いて平にしたガラスなので僅かなゆがみが生じます。このゆが
みが味わいがあり私は好きなのですが、生産効率がよくないので消えて行く運
命にあるようです。また視線を遮る曇りガラスは型ガラスといってデコボコし
た型材にガラスを流して作ったものが普及しています。昔から使われていたガ
ラスに細かいキズをつけるスリガラスは生産性やメンテナンスの問題で余り使
われなくなっています。
ガラスブロックは壁とガラス窓を兼ねたような建材で意匠的にとても特色があ
ります。昔から普及していましたが、今では種類も増えて意匠性も高くなりま
した。気をつけなければならないのはアルミサッシやコンクリートブロックの
ように強度設定が確りしていない点が挙げられます。大きな地震などでガラス
ブロック部分だけがすっぽりと抜け落ちてしまった建物をみたことがります。
広い面積を使用する場合は専門家と確り打合せする必要があります。
ガラスワンダーランド(日本板硝子)
http://glass-wonderland.jp/index.html
ガラスについて詳しく説明しています。
日本板硝子
http://www.nsg.co.jp/products/index.html
2大メーカーの一つ日本板硝子の製品紹介のページです。
AGC旭硝子
http://www.agc.co.jp/products/products_01.html
2大メーカーの一つ旭硝子の製品紹介のページです。
セントラル硝子
http://www.cgco.co.jp/products/architecturalglass/index.html
住宅用に身近な商品をピックアップして紹介されています。
ガラスタウン
http://www.glass-town.jp/
ガラスの持つさまざまな機能・性能を紹介しています。ガラス屋さん検索が出
来ます。
日本電気硝子
http://www.neg.co.jp/kenzai/
ガラスブロックを取り扱うメーカーです。
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■コモンプレイス スタジオは建築士事務所です。
※今現在、仕事が重複し新たなお客様への対応はお時間を頂くことになってし
まいます。大変申し訳ございませんが、ご依頼は状況をメールにてご確認の上
お願いいたします。
住宅の設計依頼は勿論、設計事務所の敷居が高く感じているお客さまに対し
てメニューを用意しています。
誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指しております
ので是非ホームページをご覧ください。
http://www.commonplace.jp/
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【発 行】コモンプレイス スタジオ commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘 masahiro ikezawa
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Copyright(C)2007 commonplace studio ALL Rights Reserved.
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