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『これからの住宅設計』(ID:0000230971) 読者登録解除フォーム
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・・・・・・バックナンバー第044号

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 ・・・これからの住宅設計・・・      第044号(2009.04.30)

   建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
                published by commonplace studio

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「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を、読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。

建築設計、住宅設計に関わる話題を取り上げ、住宅設計者としての経験や理念
をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機会を提供するこ
とを目指しています。

読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。



                        コモンプレイス スタジオ
                          代表  池澤 雅弘




※バックナンバーは下記ホームページでも御覧いただけます。
 誤字等も含めて、記事の訂正が必要な場合は、ホームページ上で修正させて
 いただいています。

                      http://www.commonplace.jp/



■目次

 01 今週のコラム--------------「メディアの功罪」
 02 住宅設計入門--------------No.44 坪庭をつくる
 03 建築材料めぐり------------No.17 巾木
 


///// 01 今週のコラム //////


「メディアの功罪」

建築家を目指している者は建築の専門誌をむさぼるように読む時期があり、掲
載される美しい写真や図面に感動し、憧れの建築家が書く文章に共感し自分も
いつか世の中に影響を与えられるような作品を創りたいと願います。そのこと
により努力や研鑽を重ね10年後20年後に立派な建築家になる者は必ず出てきま
す。更に専門誌に自分の作品が紹介されることにより、つまらないものは創る
事が出来ないという意識が芽生え、作品の質を上げることを常に考えるように
なります。

しかし最近の建築ジャーナリズムの傾向は専門から大衆に変化している傾向が
強く、世間体が良いもの、完成時に見栄えがするもの、話題性があるものが取
り上げられる傾向があります。私が学生の頃読んでいた建築専門誌は休刊、廃
刊が相次ぎ創り手が読む雑誌は少なくなっています。反面、家を持とうと考え
ている方の為の住宅誌やインテリア誌、デザインを紹介するファッション誌等
は増えてきています。敢て書かせていただけば永続性から一過性への転換、作
品主義、実質主義から商業主義への転換といえると思います。

商業主義に彩られたメディアは見ていて美しく、楽しいものです。それは夢の
ような将来を予感させます。建築家という一般大衆には解かり難い仕事を世に
広め、住宅や他の建築に多くの方が興味を持つ効果がありました。ただ得られ
る理解は本質からずれていることが多く、多くの誤解を生じていることは確か
だと思います。表面的な恰好よさを強調し、きちんとした批判を省略している
部分があります。

日常の生活の中には美しいものもあればそうでは無いものもあります。合理的
な部分もあれば非合理を受容しなければならないこともあります。それらを一
まとめにした器が住宅であるはずですから、人それぞれ理想は違うはずです。
何を大切にしたいか、何をありがたいと思うか、時間が経過してもその考えは
変らないかといったことを問い直す必要があると思います。また我々創り手も
仕事を得るために安易に大衆化に走らず、精神的な核がある生き生きとした建
物を創らなければなりません。

住宅を建てるにはとてもお金がかかります。洋服を買い換えるように気に入ら
なかったからといって取り替えることは難しいものです。(土地の値段が上が
れば可能かもしれませんが)住宅の窓の位置が少し違えば生活に影響を与える
はずです。自分の生活をしっかり見つめ、自分なりの価値観を見つけることが
大切ではないでしょうか。








///// 02 住宅設計入門 //////

ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に関するアドバイス
をさせていただきます。

第44回のテーマは「坪庭をつくる」

生活の中に自然環境を取り入れるため建物の中に坪庭をつくることは効果的で
す。坪庭は大きさや機能によって、中庭、ライトコート、ライトウェルと言っ
た呼ばれ方をされますが、つくり方が多様で間違った用い方をすると滑稽なも
のになってしまいます。建物全体のプランから取り入れられる状況を判断し必
要な機能をしっかり認識しなければなりません。

坪庭の機能を上げてみると、設備配管の集結、通風の確保、採光の確保、自然
環境(景観)の取り入れ、人の動線の確保等が上げられます。間口が狭く奥行
の深いプランでは中央付近の居室に通風、採光が確保できないことがよくあり
ます。そのようなとき坪庭を確保すれば問題が解決されます。また坪庭に設備
配管を集結させれば外観に配管を露出させなくて済み、メンテナンスも行いや
すくなります。坪庭に植栽をきちんと施せば、自然環境を室内に取り込むこと
が出来ます。そして対面する部屋と行き来する動線が確保できれば、部屋同士
の関係が密接になり住空間の可能性が広がります。

坪庭を取り入れるのに最も重要となるのはその大きさです。一般には先程取り
上げた機能の「設備配管の集結、通風の確保、採光の確保、自然環境(景観)
の取り入れ、人の動線の確保」では後者ほど大きな面積が必要になると思いま
す。それぞれどの程度の大きさが適切であるかは工夫次第と言えますが、参考
までに大雑把な必要面積を挙げさせていただくと配管設備、通風に関しては人
一人が作業できる程度の面積、採光に関しては、面する窓に直射日光が当たる
程度の面積、自然環境を取り入れるためには一坪(二畳)程度、人の動線の確
保のためには10平米程度だと思います。大きければすべての機能を取り入れる
ことが可能ですが、その為に屋内のスペースが小さくなるので判断が難しいと
ころです。また坪庭を設けることにより部屋の形状が歪になったり、廊下が長
くなる傾向がありますから、熟慮を重ね利点を生かせるプランニングが求めら
れます。

坪庭は室内からよく目立つ場所に配置され、設備配管用を除いては露出されて
います。まめに手を加えなければ不快なものとなってしまいますが、植栽の手
入れなど建物に囲まれていて結構手間がかかります。成功すれば大変よい環境
を手に入れることが出来るかも知れませんが、メンテナンスの方法も十分に考
えなくてはなりません。








///// 03 建築材料めぐり //////

建物と建築材料の関係を考えながら、メーカーのホームページを通じてそれぞ
れの材料を紹介させていただきます。


   No17 「巾木」
建築の設計図の仕上げ表には、床、巾木、壁、天井という主要欄がありその建
物の内部仕上げを表現しています。床、壁、天井は面積も大きく主要欄に上げ
られのは当然ですが巾木が上げられていることに若い頃は少し疑問を持ちまし
た。巾木の無い部屋もあるし、ビニール製の大変安い材料が使われていること
も多いので、備考欄に書き込めばそれで済むのではないかと思ったものです。
しかし経験を積むうちに巾木の種類によってその部屋の内装の納まりは変わり
手間のかかり方が変わることが解ってきました。今では巾木の欄を設けること
によって、その建物の床と壁の関係を読み取り安くすることの重要性が理解で
きます。

そもそも巾木はなぜ存在するのでしょうか。基本的な存在理由は壁仕上げの損
傷防止、坊汚があげられます。壁紙や塗り壁が靴(下足)やモップがぶつかる
ことによって損傷したり汚れることを避けています。その他にも機能的、意匠
的、習慣的な理由がいろいろ挙げられますが、そのため多種多様な巾木が現在
では存在します。

和室には通常巾木は存在しませんが、猫がいるご家庭などは床から40cm程度ま
で一般部分と異なる丈夫な壁紙を貼ることによって、引掻き傷を防止していま
す。傷が目立ってくればこの部分だけを貼り替えれば元に戻ります。マンショ
ンの共用廊下などでは床が完全に平らではないことが多く、タイルを床まで貼
下げると納まりが汚くなるので床から10cmぐらいまでの下地コンクリートをタ
イルと同面にしてペンキ仕上の巾木にすることがあります。そうすることによ
ってタイルの下端をきれいにそろえることが出来ます。また床までタイルが貼
ってあるとタイルの下端が汚れた場合貼りなおさなければ元に戻りませんが、
巾木部分をペンキ仕上にしておけば汚れた部分のペンキを塗りなおせばきれい
になります。

巾木には床と壁の仕上げ関係や使用状況によっていろいろな納め方があり、建
具を除いた部分では内装仕上げの要といえる部分だと思います。巾木に注目す
ると多くの発見があり、建築に対する興味を掘り下げることが出来ます。


東リ
http://www.toli.co.jp/catalog/top.php3
代表的なソフト巾木のメーカーです。高さが30cmあるワイド巾木や石目巾木も
扱っています。

ロンシール工業 ピリカモールS
http://www.lonseal.co.jp/product/floor/pm.html
床シートを巻き上げて巾木状にするとき端部を綺麗に納めることが出来ます。


DAIKEN 造作部材 巾木・廻縁
http://www.daiken.jp/b/zousa/index.html
総合建材メーカーの大建工業のカタログページです。

DAIKEN 腰壁
http://www.daiken.jp/b/kabe/ka04.html#P1
ここで紹介されているハウスッキリ巾木は床との隙間をゴムパッキンで無くし
ホコリがたまりにくくなっいます。ペットに対応した腰壁も参考になります。

東部積水株式会社
http://i-front.sekisui.co.jp/toto-sekisui/html/product/index.html
配線収納式の巾木などが紹介されています。

シンドウ工業
http://www.shindo-kogyo.co.jp/KURUMAZURI.htm
ストレッチャーガードが紹介されています。車椅子を利用されているご家庭で
参考になると思います。

丸西銘木
http://www.marunishimeimoku.co.jp/
天然木、突板の加工を行っています。














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■コモンプレイス スタジオは建築士事務所です。

 事務所を移動しました。小さな事務所ですが打合せスペースを設けましたの
 で住宅設計について何かご相談がある方は是非お越しください。(相談は無
 料です。)不在のことも多いので、おいでくださる方は事前に電話またはメ
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 で健康的な住宅をご依頼主に提供します。

 ご依頼主との対話を重視し、アイディアを提供し着実に理想の家創りを進め
 て行きます。

 誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指しております
 ので是非ホームページをご覧ください。

                     http://www.commonplace.jp/

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【発 行】コモンプレイス スタジオ  commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘          masahiro ikezawa

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