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『これからの住宅設計』(ID:0000230971) 読者登録解除フォーム
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■ メールマガジン・
・・・・・・バックナンバー第034号

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  ・・・これからの住宅設計・・・      第034号(2008.03.31)

   建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
                published by commonplace studio
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「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を、読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。

建築設計、住宅設計に関わる話題を取り上げ、住宅設計者としての経験や理念
をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機会を提供するこ
とを目指しています。

読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。



                        コモンプレイス スタジオ
                          代表  池澤 雅弘




※バックナンバーは下記ホームページでも御覧いただけます。
 誤字等も含めて、記事の訂正が必要な場合は、ホームページ上で修正させて
 いただいています。

                      http://www.commonplace.jp/



■目次

 01 今週のコラム--------------「建築意匠の将来」
 02 住宅設計入門--------------No.34 寸法の追加
 03 建築材料めぐり------------No.08 トイレ(便器)
 


///// 01 今週のコラム //////


「建築意匠の将来」

「建築のデザイン」という言葉を聴いたときどのようなものを思い描くでしょ
うか。それは古典建築であったり、大都市の商業ビルや美しいモダンリビング
のインテリアだったりすると思います。服飾デザインや工業デザインと何処か
違うと思われる方は多いのではないでしょか。技術的制限や機能的制限を伴い
ながら成立っていて、それゆえに問題を上手く解決している建築デザインは調
和がとれ美しいという印象をお持ちだと思います。そして傑作といわれる作品
は時代が変わっても長く評価され残され受継がれて行きます。

建築意匠の大きな特徴は部材の納まりを見せるデザイン、空間的特色を表現す
るデザイン、建築を成立たせるのに必要不可欠なもの(柱、梁、窓、屋根等)
の装飾によるデザイン等が挙げられます。更に1970年代半ばからポストモダン
思考がデザインの潮流となり、建築以外のものを建築の中に取りいれていくデ
ザインが生まれます。何れにしても思考の構築、部材の構築が求められ、個々
の要素を構築する能力が無ければ創り上げ表現できないものです。まさにその
構築そものが建築と同義に使われ、専門家の間では「建築的な装飾」とか「建
築的な解決」といった表現をして複合交錯する要素を美しく再構築する能力を
評価しています。

ところが最近の建築デザインは大きく変わって来ています。先ず建築材料の進
化により納まりを考えなくても、イメージしたものが形に出来るようになって
来ました。そのため建築の基本を勉強しなくても、思いついた形態を実現させ
ることが可能になりました。また住宅機器が高機能になりそれらのデザインが
パッケージになって建築の中に入り込んできました。例えばシステムキッチン
、システム収納、ユーティリティセットなど企業が作り出したイメージが建築
空間に入り込むことにより大体の空間構成が出来上がってしまう傾向がありま
す。これらの変化は建築家以外のデザイナーが建築業界に加わってきて、まる
でアパレル業界のように建築デザインが消費される現状を生み出しています。
そして建築を一通り勉強したものにとって考えられないようなデザインが生ま
れ、評価され、消えて行きます。

建築は死んだと嘆く建築家は多くいますが、このような状況の中でも更なる工
夫を加え新しい建築を生み出さなければ建築家の存在価値はありません。現在
のデザインの潮流は商業的デザインがベースで「どうすれば売れるか」「売れ
るデザインとはどんなものか」という考えが根底にあります。それ自体は何ら
問題は無いし、多くの人が知恵を絞り素晴らしいデザインを世の中に発表して
います。ただ大衆に評価されるものが必ずしも個人にとって良いものとは限ら
ないわけで、商売にならなくても自分が創りたいものを創るという考えも方も
必要だと思います。しかし闇雲に何でも創ればよい訳はなく、他人の評価を得
られるものを創るにはオリジナルな発想と物事を解体し再構築することが必要
で、先に述べた建築的な能力も必要になってきます。

多くの建築家は自分の作品を通して世の中を変えて行きたいと思っています。
材料の可能性、ドラマチックな空間構成、新たな生活規範、精神文化の建築へ
の反映等を作品を通して表現し時代に影響を与えてきたことは間違いありませ
ん。これからも同じだと思うし、デザイン大量生産大量消費時代であっても新
しい建築表現は生まれ続けると思います。それはどのようになものになるので
しょうか。(あくまでも私の想像に過ぎませんが)続きは次号のコラムで書か
せていただきたいと思います。






///// 02 住宅設計入門 //////

ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に関するアドバイス
をさせていただきます。

第34回のテーマは「寸法の追加」

住宅内の寸法を決めるとき出来るだけミニマムな数値で決めて、空間を有意義
に使いたいと思うことが多いと思います。しかし単純に物の大きさだけの寸法
を押えていると大きな失敗をしてしまいます。建築の仕事をしている者にとっ
て当たり前のことでも、一般の方には意外と気がつかないことも多く、住宅を
建てようと思っている方が間取りを考える際に寸法の追加を考えなくてはいけ
ない例を幾つか挙げさせていただきます。

先ず建具廻りについて考えて見ます。戸袋に引き込む引戸を設ける際、引き残
しを用意する必要があります。扉が全て戸袋の中に入ってしまうと扉を戸袋か
ら引き出せなくなってしまいます。通常60ミリ程度の引き残しを設けます。そ
うすると開口寸法を800ミリとっても実際は740ミリしか開口として使えなくな
ります。小口に回転引き手をつければ引き残しを設けなくても引戸は機能しま
すが、頻繁に開け閉めする場所にはお勧めできません。また開き戸は開口の両
側に15ミリ程度の戸当りがあるので800ミリの開口を設けるためにはドア幅830
ミリになります。細かい寸法ですが家具の配置に気を使わないと扉がぶつかる
ことがあります。またドア幅=開口寸法という意識があると入ると思っていた
家具が部屋の中に入れられないということも生じます。

キッチンの作業スペース(厨房セットから壁、食器棚、冷蔵庫までのスペー
ス)は750ミリ以上必要です。単純にこのスペースを用意するだけではなくそ
こに置く食器棚の寸法や、冷蔵庫の寸法を考えなくてはいけません。食器棚の
奥行は450ミリ、冷蔵庫の奥行は700ミリ程度見ておく必要があります。また洗
面脱衣室など狭い空間では棚の扉を開けると身動きが出来なくなってしまうこ
とが良くあります。全ての扉を開いた時行動範囲が確保できるか確かめましょ
う。

給湯器、空調室外機の周囲には空間を確保する必要があります。怠ると効率が
悪くなったり、火災に繋がることもあるので、メーカーから提示されている寸
法(機種により必要寸法が違うので注意が必要)を確認しましょう。また窓上
部に空調機を取り付ける際、空調機の高さ寸法より100ミリ(最低50ミリ)程
度窓から天井までの寸法を確保しないと取り付けが困難になります。

ここに挙げさせていただいた内容は追加が必要な寸法のごく一部です。極端な
ことをいってしまえば部材そのものの寸法で納まるものはないと言っても良い
と思います。ただその寸法は微小のものが多いので、注意すべきポイントを押
さえれば大きな問題になることは少ないと思います。シビアな部分は必ず詳細
な図面を描くことをお勧めします。





///// 03 建築材料めぐり //////

建物と建築材料の関係を考えながら、メーカーのホームページを通じてそれぞ
れの材料を紹介させていただきます。


   No08 「トイレ(便器)」

ここ10年程で便器は大きく進化しています。少し前までの感覚では、便器のよ
うな日常基本設備機器は殆ど変ることなく当たり前のものが当たり前のように
存在していて、私が設計の仕事を始めた頃(約20年程前)の品番が今でも残っ
ていても当然のように受止めていました。大きく変わったことがあったとして
も、便器自体ではなく便器に取り付けるもの(ウォシュレット等)が進化変容
しているだけで便器自体は余り変化が無かったように思います。しかし最近の
トイレは便器自体が大きく進化しました。材質そのものが汚れ難くなり掃除も
しやすい形態になり、自動洗浄機能をはじめ脱臭機能等付加機能も充実してい
ます。何よりもタンクレストイレが普及したことはトイレの印象を大きく変え
た画期的な進化だと思います。タンクレスを可能にした要因に節水機能があり
必要水量を減らすことによりタンクが不要になったようですが、まさに一挙両
得の素晴らしい技術です。またタンクレストイレは便器の奥行が小さくなった
にも関わらず便座はゆったりとしたものがついています。使用感の良さもポイ
ントに挙げられると思います。

松下電工の「アラウーノ」は陶器の代わりに有機硝子系の新素材を使用し洗剤
を使う自動洗浄機能がついています。TOTOの「ネオレスト」は節水機能が優れ
ていて従来品に比べ65パーセントの節水効果が期待できる製品を用意していま
す。INAXの「サティス」は除菌イオン効果で臭いやカビの発生を抑える機能が
ある製品を用意しています。ジャニス工業はタンクレストイレは販売していま
せんが、すっきりしたデザインの衛生陶器を提供していて好感が持てます。

タンクレストイレは沢山の機能が装備されていて、オプションで追加できるも
のもあるようです。ただ本当にそれが必要かどうか良く考えてから機能を追加
したほうが良いと思います。基本的にはデザイン、掃除のしやすさ、節水機能
が重要項目だと思います。


松下電工「アラウーノ」 http://national.jp/alauno/

TOTO「ネオレスト」   
http://www.toto.co.jp/products/toilet/t00016/index.htm

INAX「サティス」
http://www.inax.co.jp/products/toiletroom/toilet/satis/

ジャニス工業 http://www.janis-kogyo.co.jp/index.html





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■コモンプレイス スタジオは建築士事務所です。

 住宅の設計依頼は勿論、設計事務所の敷居が高く感じているお客さまに対し
 てメニューを用意しています。

1.お客様が書いたスケッチから設計図を作ります。工務店に設計施工を任せて
 しまう場合図面があるとお客さまの意図が明確に伝わり、自分の理想に近い
 形で家創りが進められます。

2.工務店に全てを任せてしまうと工事が進むうちに不安になることや、疑問点
 が出てくると思います。そのような場合のアドバイスを行います。

3.マンション購入の際、フリープラン等のオプションがある場合に図面を作成
 し、お客様の理想に近い空間を作るお手伝いをします。

その他、誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指してお
りますので是非ホームページをご覧ください。

                  http://www.commonplace.jp/
                   
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【発 行】コモンプレイス スタジオ   commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘           masahiro ikezawa
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