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『まぐまぐ!』から発行しています。
■ メールマガジン・・・・・・・バックナンバー第042号
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・・・これからの住宅設計・・・ 第042号(2009.02.28)
建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
published by commonplace studio
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「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を、読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。
建築設計、住宅設計に関わる話題を取り上げ、住宅設計者としての経験や理念
をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機会を提供するこ
とを目指しています。
読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。
コモンプレイス スタジオ
代表 池澤 雅弘
※バックナンバーは下記ホームページでも御覧いただけます。
誤字等も含めて、記事の訂正が必要な場合は、ホームページ上で修正させて
いただいています。
http://www.commonplace.jp/
■目次
01 今週のコラム--------------「必要な技術」
02 住宅設計入門--------------No.42 最低限の寸法
03 建築材料めぐり------------NO.15 椅子
///// 01 今週のコラム //////
「必要な技術」
住宅(戸建)の現場監理をしていると、大きな建物に比べて大分楽でしょうと
いわれることがありますが、これは大きな間違いで小さな建物をきちんと監理
するのは大変な作業です。当然高層建築などは高い技術が必要とされ一つ一つ
の工程をしっかり造っていかなければ大変なことになります。しかし複雑な工
事が多数関わる大規模な工事の枝葉末節まで全てを一人で把握することは人間
の能力を超えてしまいますから、それぞれの専門家が集結して一つの建物を造
るようになります。必然的にそれが出来る工務店が受注することになりますか
らしっかりフォローを受けながら監理をすることが出来ます。
住宅や小規模の建物では一人の人間が大部分の確認作業を行いながら建物を造
ることになるので、曖昧な知識では良い建物を造ることは出来ません。また職
人さんと直接打合せをして作業を進めるようになるので、相手を納得させる正
確な決断力が必要になってきます。
規格が決められたハウスメーカーの住宅であれば重点的に必要な監理を行えば
間違いの無いものが出来るのですが、設計事務所が創る建物は一回一回初めて
行う作業が出てきます。初めてのものを造る場合でも研究開発費などは認めら
れることはありません。そのため詳細図を何枚も描きこれで行けるという気持
ちになるまで指示は出せません。当然施工者との打合せも濃密に行わなくては
なりません。施工性を無視しては住宅建築は成立たないし、全体工事費が限ら
れている住宅の工事では一部に極端な施工費がかかってしまうと調整すること
が出来ません。
大きな建物でも小さな建物でも必要な技術は同じです。ただ小さな建物ほど個
人の責任が重くなり幅広い技術の裏付が無ければ、自在に自分が創造した建物
を形にすることが出来ないと思います。
大きな建物を経験すると高い技術力が身につき、全体を把握する能力も身につ
きます。建築を造る上で大変重要な経験で小さな建物を造っていては気が付か
無いことも多いと思います。住宅設計特有の技術を持ちつつ、建築本来の性能
を高めるためにその経験を小さな建物に於いてもしっかり反映させることが大
切では無いでしょうか。
///// 02 住宅設計入門 //////
ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に関するアドバイス
をさせていただきます。
第42回のテーマは「最低限の寸法」
住宅を設計していると常に寸法の決定に迫られます。人の基本動作の寸法は法
規等で最低寸法が決められていることありますし、日常的な生活行為に必要な
寸法は建築資料集成等に記載されています。法規で決められている内容につい
てはそれに従うのは必然ですが、それ以外についてはある程度の幅の中から依
頼主にとって最良の数値を探し当てなくてはなりません。
建築資料集成等に記載されている数値は理想的な寸法であり、その寸法であれ
ば依頼主に断りを得なくても問題になることは少ないと思われます。ただ理想
的な寸法で全てが納まることは稀で、依頼主にとって問題にならない部分は調
整していかなければならないことが殆どだと思います。「後5センチテーブル
が動けば食器棚が置けるのに」という問題が出たときに壁とテーブルの距離を
5センチ縮めても良いか判断することは結構難しくかつとても重要です。その
判断にによって部屋の使い安さや機能が大分変わってしまいます。
その際大切になるのは実質的な最低寸法の認識です。テーブルと壁の離れは一
般的には60センチ取るのが基本ですが、最低50センチまでなら何とかなります。
座るとき少し窮屈ですが一度座ってしまえば問題は無いと思います。使う方の
体が小さく背もたれの無い椅子を使えば45センチまでいけるかも知れません。
またトイレの奥行は最低130センチとするのが基本ですが、便器をタンクレス
にして多少窮屈なのを我慢してもらえれば120センチまでなら狭く出来ると思
います。
使用される方の身長、体重や生活意識によってどこまで寸法を調整することが
許されるか判断しなければなりません。安全を優先して教科書にあるような寸
法を使っていれば安心ですがそれでは限られた空間を有効に使うことは不可能
でしょう。一つ一つの生活行為と対峙して建物全体から優先順位を意識しなが
ら決めていかなければならないと思います。またご家庭で家具等を購入する際
も、身近にあるテーブルや椅子等を使って実際に動作寸法を経験しながら判断
し購入することをお勧めします。
///// 03 建築材料めぐり //////
建物と建築材料の関係を考えながら、メーカーのホームページを通じてそれぞ
れの材料を紹介させていただきます。
No15 「椅子」
多くの方にとって、椅子は最も身近で親しみ深い家具ではないでしょうか。そ
して我々建築の設計を生業としている者は建築に一番近い家具という印象を持
っています。椅子には座る道具というハッキリした機能がありますが、造形的
にも彫刻のように独立した美しさを持っています。また体重を支える耐力を持
ち長年使いつづけるための耐久性も要求されます。その上よい座り心地も必要
です。用強美が要求されるのは建築と同じです。
多くの建築家が椅子をデザインしていて、それらの作品からはその建築家の建
築に対する思想を汲み取ることが出来ます。椅子はその時代の工業デザインの
粋の結晶といえます。20世紀は椅子の時代と表現されることがあります。家具
の工業化が可能になった為、優れたデザインの椅子が大量生産され多くの優れ
たデザイナーが生まれたのでそういわれています。歴史に名を残すような建築
家に家を建ててもらう機会はなかなか得られませんが、その建築家がデザイン
した椅子を購入することは出来ます。是非お気に入りの椅子を見つけてご自分
の家に置いて使っていただきたいと思います。
大量生産されているとはいえ値段が高いと思われる方には私は中古品を購入す
ることをお勧めします。新品で10万円ぐらいの椅子が2万円ぐらいで手に入る
ことがあります。新品のようにピカピカではないし傷も目立ちますが、椅子は
使うものですからそれも価値の内と考えられます。多くの椅子は毎日使いつづ
けても30年ぐらいは使うことが出来ると思います。椅子は身体に最も近い家具
です。しっかり使うことで優れたデザインと一体化できる経験は貴重ではない
でしょうか。
ファニチャーダイレクトジャパン
http://furniture-direct.co.jp/
デザイナーズブランド家具のショッピングサイトです。取り扱っている家具の
種類が多く解説を読んでいると勉強になります。
椅子専門店 チェアーズ
http://www.chairs.jp/
椅子に特化したショッピングサイトです。広範囲に椅子が紹介されていて見て
いて飽きません。お気に入りの椅子が見つかると思います。イームズコーナー
はお勧めです。
フリッツ・ハンセン
http://www.fritzhansen.com/jp
ヤコブセンの作品を提供しているメーカーです。プロダクトのページを是非御
覧下さい。
カール・ハンセン
http://www.carlhansen.jp/index2.htm
ハンス ヴェグナーの作品を提供しているメーカーです。
カルテル
http://www.kartell-shop.jp/category/chairs/?p=1
プラスチックを使う家具を得意としているイタリアのメーカーです。未来的で
美しい家具を提供しています。
ハーマン・ミラー
http://www.hermanmiller.co.jp/
イームズの家具を提供しているメーカーです。
カッシーナ・イクスシー
http://www.cassina-ixc.jp/cgi-bin/omc?req=HOME
カッシーナ・イクスシー直営のオンラインショップです。コルビジェ、ライト
、マッキントッシュなどの作品が購入できます。
天童木工(テンドウ クラシックス)
http://www.tendo-mokko.co.jp/products/classics.html
天童木工は日本を代表する家具メーカーです。高い技術は評判で柳宗理のバタ
フライツールや磯崎新のモンローチェアを生み出しています。
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■コモンプレイス スタジオは建築士事務所です。
3月中旬に事務所を移動します。小さな事務所ですが打合せスペースを設け
ましたの住宅設計について何かご相談がある方は是非お越しください。(相
談は無料です。)不在のことも多いので、おいでくださる方は事前に電話ま
たはメールでご連絡お願い致します。現時点でも下記の電話、FAXは通じま
す。準備作業をしている時間帯も多いのでご連絡いただければ対応させてい
ただきます。
新住所・TEL
〒166-0003
東京都杉並区高円寺南3-48-14 メゾンムラオカ406号室
TEL 03-5913-8963
FAX 03-5913-8964
長い年月、設計事務所に勤務した経験を生かし徹底した現場監理を行い安全
で健康的な住宅をご依頼主に提供します。
ご依頼主との対話を重視し、アイディアを提供し着実に理想の家創りを進め
て行きます。
誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指しております
ので是非ホームページをご覧ください。
http://www.commonplace.jp/
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【発 行】コモンプレイス スタジオ commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘 masahiro ikezawa
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Copyright(C)2007 commonplace studio ALL Rights Reserved.
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