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『これからの住宅設計』(ID:0000230971) 読者登録解除フォーム
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■ メールマガジン
・・・・・・・バックナンバー第002号

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  ・・・これからの住宅設計・・・      第002号(2007.04.09)               
   建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
                published by commonplace studio

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「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を、読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。

耳寄り情報やお買い得情報は余り掲載できないと思いますが、住宅設計者とし
ての経験や理念をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機
会を提供することを目指しています。

読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。

                        コモンプレイス スタジオ 
                          代表  池澤 雅弘



■目次

 01 今週のコラム--------------建築に関わるひとりごと
 02 住宅設計入門--------------No.2 キッチンの高さ
 03 マンションの完成まで------No.2 事前協議申請まで
 04 建築の本棚----------------建築の本の紹介
 05 師の言葉------------------心に残った建築に関わる言葉



///// 01 今週のコラム //////

最近「減築」と言う言葉が注目さている、という新聞の記事を目にしました。
増築ならぬ減築とはいかなるものか、と最初は思いましたが、ほぼ私の想像通
りの内容で、子供が独立した後、持て余した床面積を減らすように改修を行う
ことが多くなってきたということでした。余った室の床を抜いて吹き抜けにし
日光を取り入れたり、2階建てを平屋にして階段を無くしメンテナンスを楽に
するケースが増えてきているということです。想像は出来ましたが、実際にそ
れを行うようになったということは確かに時代が変わった証拠でしょう。戦後
高度成長期からバブル崩壊までの間は、ニーズに従った住み替えが主流で、最
初は小さな家を買い、必要に応じて買い換えてきました。最近は一つの家を一
生使うという考えが定着して来ているのかも知れません。

「減築」が一つの潮流となりつつある背景には、大きく分けて二つの理由があ
ると思います。一つは空間に対する認識が向上したことで、自分が心地良いと
感じる空間を求めるために、お金と手間をかけるようになったことです。住環
境意識が高まったことは歓迎されることでしょう。
もう一つの背景は核家族化が生んだ家の終焉といえるのではないでしょうか。
少し残念でありますが「人と家が一緒に無くなる時代になった」と考えられま
す。団塊の世代と言われる方々が社会に出る頃から、核家族化は当たり前の現
象になり、家も引き継がれるものでは無くなったと思います。ですから「最後
の形態は、自分たちが自由に決めることが出来るようになった」ということだ
と思います。

一つ付け加えさせていただくと、先に記したことと矛盾していると思われるか
も知れませんが、減築することは建物を生き返らせる可能性を秘めています。
2階建てを平屋にすることにより構造強度は増しますし、間仕切りを取って1
室を大きくすると、細かい部屋を多く取るより機能的に自由度がふえ、生活様
式が変化しても順応できます。結果として持ち主がなくなった家を誰かが使い
続けることは十分考えられます。





///// 02 住宅設計入門 //////

ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に対するアドバイス
をさせていただきます。

第2回のテーマは「キッチンの高さ」

キッチン(カウンタートップ)の高さは一般的には850(ミリ)です。最近分
譲マンション販売ではオプションで高さセレクトとして800と900をつけて3種
類の中から選んでもらうことがよく行われています。この5センチの違いは使
ってみると結構違いを感じます。それならばしっくりいくところで決めたいと
ころですが、この先20年間ぐらい使用するとして、お年寄りや子供も含め複数
の方が関わることになります。仮に使用する人を一人に限定したとしても、必
ずしも身長に併せて高さを変えるのは正しい選択ではないと思います。なぜな
ら野菜を切るとき、フライパンを使うとき、揚げ物をするときそれぞれ理想の
キッチンカウンターの高さは違うはずです。だから選択するときは一つの作業
姿勢が使いやすい高さだからといって簡単に決めない方が良いと思います。い
くつかの作業姿勢を検討した後よく考えて判断しましょう。

キッチンカウンターの高さを取り上げて説明させていただきましたが、オリジ
ナルの寸法を変える場合、一つの事例、一つの動作を気にして判断してしまう
ことが多いようです。家具や衛生機器にはいろいろな機能があるので、いろい
ろなケースを考えて決定したほうが良いと思います。人にはそれなりの調整能
力がありますから、迷ったらオリジナルの寸法を変えないほうが無難です。




///// 03 マンションの完成まで //////

マンション設計の依頼から竣工にいたる出来事を、設計事務所の立場から紹介
させていただきます。マンションはどうやってできるのか、どれだけの作業が
必要なのかご理解いただければ幸いです。


No2 「基本計画と事前協議」

敷地も決まり、事業が本格的に動き出すとディベロッパーからの要望により設
計を進めていきます。具体的には「何平米から何平米の住戸を何戸つくり、条
件の良い妻側住戸や最上階の住戸は1戸当たりの面積を大きくする」といった
内容です。また駐車場や駐輪場を何台分用意するか、エントランスホールの大
きさなど共用部分に関することも要望の中に入ってきます。さらにバルコニー
の奥行き、天井高さ、廊下の幅などは各デベロッパーで仕様が決まっているの
でそれに従った形にして行きます。事前協議を提出した後は大きな変更は出来
なくなるので、構造、設備の検討も平行して進めます。このあたりから週1回
の打ち合わせを持つようになり、設計事務所はその準備で毎週打ち合わせの前
日は徹夜になることもよくあります。

大体要望がまとまると、事前協議申請の準備に入ります。事前協議とは行政庁
(市役所、区役所等)の指導要綱に則った建物であることを示し、それに従う
旨の同意書を取り交わすことです。これを済ませないと通常確認申請を受け付
けてもらえません。法律的に確認の提出は出来るようですが、行政庁の指導に
従うかどうか解からない建物の確認を下ろすことは、近隣関係等で将来に問題
を残すので通常受け付けません。また一部条例に関しても事前協議時に確認し
ますので、こちらは法律ですから守らなければいけません。
事前協議の具体的な内容は、ごみ置場の設置、緑地の確保、駐車場の確保、電
波障害の対応、上下水道の計画提示、騒音、景観、近隣説明等です。これらを
担当する各課に図面と書類を提出して説明します。近隣説明については、近隣
の方々に理解を得られるまで時間を要しますので、説明を開始したことが明確
になれば取り合えず事前協議を通してもらえます。その他については、指導要
綱に従った計画内容であれば、それについて各課で注意事項が示された書類が
発行されます。最後に受付窓口(通常都市計画に関わる課)が取りまとめて、
その内容に同意するという書類を取り交わし完了です。次回は建築確認申請の
提出までをご紹介します。





///// 04 建築の本棚 /////

建築に関わる仕事をしている以外の方でも、楽しんでいただける建築関係の本
を選んで紹介させていただきます。

今回紹介させていただく本は

   「現代建築に関する16章」 五十嵐太郎 
                  講談社現代新書 740円+税

この本は現代建築がどの様な思想を元に展開されてきたか、16のテーマに沿っ
て説明しています。専門書では無く、一般の新書ですから入手しやすく、解か
りやすく書かれています。「第1部 形と環境をめぐって」「第2部 住むこ
とそして日本という空間」「第3部 建築はどこへいくのか」の3部構成にな
っていますが、この構成は現代建築を語る上で重要なポイントを的確にまとめ
ていると思います。

単なる概要書では無く引用が具体的で的を得ており、しかも簡明でバラエティ
に富んでます。専門家が読んでも「そうだったのか」と教えられる部分があり
ます。私の印象は「学生の頃、難しい本を読んで結局理解できなかったことを
サラリと的確な指摘で一応解からせてくれた」という感じです。説明の中で出
てくる人物(特に建築家)がどの様な考えを世に示しているか解かっている場
合と、そうでない場合で理解の仕方が違って来ると思いますが、解かっていな
くても引用が巧みなので十分楽しく読めます。

この本は、概要を理解させつつ、更なる奥深い部分に読者を導いてくれる本で
す。是非一度、御手にとってご覧ください。




///// 02 師の教え /////

私が実際に接した建築家や書籍のなかで印象に残った言葉を紹介させていただ
きます。


「自分を否定できなければいい作品は出来ない」

これは学生時代に研究室のOBに就職相談をしたとき、ある建物を批判する話
になり言われた言葉です。建築の設計はどうしても独りよがりになってしまう
危険性があります。自分が良いと思っていても他人がどう見るか常に念頭に置
かなければなりません。そして否定を恐れず、間違っていると思ったら許され
る範囲で修正する勇気を持たなければ伸び代はありません。

この言葉は安易に同じことを繰り返すことへの警鐘でもあると思いました。何
時もやっていることが正しいと思ってしまうと、何も考えずに同じことを繰り
返してしまう。「一寸待てよ」と考えることが大切です。


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■コモンプレイス スタジオは建築士事務所です。

 住宅の設計依頼は勿論、設計事務所の敷居が高く感じているお客さまに対し
 てメニューを用意しています。

1.お客様が書いたスケッチから設計図を作ります。工務店に設計施工を任せて
 しまう場合図面があるとお客さまの意図が明確に伝わり、自分の理想に近い
 形で家創りが進められます。

2.工務店に全てを任せてしまうと工事が進むうちに不安になることや、疑問点
 が出てくると思います。そのような場合のアドバイスを行います。

3.マンション購入の際、フリープラン等のオプションがある場合に図面を作成
 し、お客様の理想に近い空間を作るお手伝いをします。

その他、誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指してお
りますので是非ホームページをご覧ください。

                     http://www.commonplace.jp/
                        

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【発 行】コモンプレイス スタジオ   commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘          masahiro ikezawa

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