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『これからの住宅設計』(ID:0000230971) 読者登録解除フォーム
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・・・・・・バックナンバー第050号

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  ・・・これからの住宅設計・・・      第050号(2010.3.23)

   建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
                published by commonplace studio
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「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。

建築設計、住宅設計に関わる話題を取り上げ、住宅設計者としての経験や理念
をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機会を提供するこ
とを目指しています。

読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。



                        コモンプレイス スタジオ
                          代表  池澤 雅弘




※バックナンバーは下記ホームページでも御覧いただけます。
 誤字等も含めて、記事の訂正が必要な場合は、ホームページ上で修正させて
 いただいています。

                      http://www.commonplace.jp/



■目次

 01 コラム -----------------「必要な空間」
 02 住宅設計入門--------------No.50 天井の意匠
 03 建築材料めぐり------------No.23 造作ユニット
 


///// 01 コラム //////


「必要な空間」

自分の家を建てようと思ったり、マンションを購入しようとしている方々は必
ず住宅の広さを意識すると思います。設計する立場からすれば、試行錯誤を重
ね出来る限り要望される大きさの空間を実現させることが当然の義務だと感じ
ます。また、それぞれの部屋の機能を満足させなければならないことも当然で
す。LDで有ればダイニングセットとリビングセットが問題なく置けなければな
りませんし、洋室であれば机とベットが置けるような空間を用意することが必
要です。ただし、まれに狭すぎると解っていながら設計を進め尚且つそれが好
評を得るということが起きることがあります。勿論、投げやりに設計したわけ
ではないし狭いながらに使いやすく豊かな空間をつくろうとしていましたが、
人が求める空間は人それぞれ違うということを思い知らされた経験をしたこと
があります。

ある分譲マンションの設計をしていて、屋上にもう一住戸増やしてほしいとク
ライアントから頼まれました。法的規制を洗い直しパソコンと格闘しながら何
とか40平米程度のスペースならつくることが可能と判断しました。しかし、間
口3.5メートル奥行き12メートル弱の住戸を加えることが意味があるのか疑問
も持ちました。全体の形態を崩しますし、他の住戸とのバランスからステータ
スを下げることになるのような気がしたのです。

水廻りを長方形にコンパクトにまとめその上部にロフトを設けました。結果的
に12畳程度のLDに9畳程度のロフトという空間構成となりました。最上階の勾
配屋根であることが幸いしてLDの天井は高さ2800から3600ミリの勾配天井を確
保できました。南側に大きな出窓と妻側には直ぐ近くにある旧江戸川の川面の
輝きが見える窓を設け、とても明るい空間です。間口が狭い住戸なので廊下が
外壁に面していて十分な採光が取れます。その結果玄関からLDまでが一続きの
明るい空間となっています。ただしロフトの天井高は700から1200ミリ程度の
勾配天井で辛うじて布団を敷いて寝ることが出来ますが、匍匐(ほふく)前進
を強いられることもあります。しかも階段は付けられないのではしごで登り降
りをしなければなりません。どう考えても単身者向けの住戸であり、計画場所
や価格を考えると販売に苦労すると思っていました。

ところがこの住戸はあっさりと購入者が見つかり、しかも御子さんが2人いる4
人家族が購入されたということでした。設計者としての経験を積んだ故の規定
概念が覆されました。どうやって生活するのだろうかとも思いました。しかし
狭いことを除けばとても贅沢な空間です。ロフトで4人で寝られないことはな
いし、LDに大きなテーブルを置けば食卓とリビングテーブルと勉強机が兼用で
きます。家族のふれあいも深くなりそんな生活を望む施主がいても不思議では
ありません。むしろそのような考えを持たれる方がいらっしゃることは空間の
可能性を考える設計者にとってとてもありがいたいことです。

不特定多数の方が入居されるマンションの設計を多くしていると、誰からもク
レームが来ない設計をすることを心がけるようになり、そこから生ずる規定概
念は住空間をつまらないものにしていることに気付かされた経験でした。人そ
れぞれ大切にするものは違います。一括りにしてしまうことがどれだけ危険な
ことかいい勉強をさせていただきました。





///// 02 住宅設計入門 //////

ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に関するアドバイス
をさせていただきます。

第50回のテーマは「天井の意匠」

住宅の天井は内部空間を構成する重要な要素です。どのような空間を創り出そ
うとしているか具体的なイメージがなければなかなか決められない部分でもあ
ります。天井は部屋のどこに居ても目に入り、空間の雰囲気を決定付けてしま
う力を持っています。

分譲マンションの場合、強い個性を提示すると好き嫌いが生じ販売に大きな影
響を与えてしまうことからビニールクロスを張り上げて済ましてしまう傾向が
あります。また通常和室の天井はプリント合板(または突板合板)張りで済ま
されることが多いと思います。天井の意匠は結構お金がかかるので、余程のこ
とがない限り手の込んだ天井を創ることはしません。この傾向を打破するには
室内空間全体にグレードを上げデイテールの積み重ねによる空間創りをして、
それが販売材料になるレベルまで仕様を上げなければならないと思います。購
入者が決定後、内装を設計する方法を採れば可能かも知れません。

戸建住宅の場合、よく行われるのが吊天井を用いず根太等構造材を露出させる
根太天井です。力の流れを感じることが出来、ストレートでモダンな印象を生
み出すので洋風、和風どちらにも相性が良い天井です。天井高も取れるのでと
てもよく使われるようになりました。気をつけなければならないのは構造材に
化粧材を用いなければならないので単純に吊天井が無くなった分工事費が安く
なるわけでは有りません。また本来天井の中に隠れる配線等を旨く見えないよ
うに納めなくてはなりません。2階の音が1階に伝わりやすいということもあり
ますので熟慮が必要です。

和室に良く用いられるのが目透し天井と竿縁天井です。目透し天井は仕上ボー
ドを突き付けずに目地を設けて納める方法でスッキリしていてモダンなイメー
ジがあります。目地のつくり方によって仕様が異なり、意匠的にも雰囲気がガ
ラリと変わります。竿縁天井は天井の下地材(野縁)に直接止める他の天井仕
上げとは異なり竿縁と呼ばれる細い材を吊り、それに板材を乗せる構成になっ
ています。竿縁の形状、色、材質、大きさ、間隔を変えることにより個性豊か
な天井を生み出します。

洋室には主に打上天井といって野縁を組んで吊下げこれに釘でボードや縁甲板
などを打ちつけた天井が使われます。ボードにペンキを塗ったり、クロスを張
ったり、岩綿吸音板を貼り付けて仕上ます。フローリングのような縁甲板張り
天井も良く見かけます。木目が生き材料の重厚さを感じる天井です。

天井は室内の中では仕上げる方法が多様な部分です。モダンリビングの普及に
より無個性化が進んでしまっていますが、一括りに決めつけづにいろいろ検討
する必要があると思います。試行錯誤の結果、無垢でプレーンな仕上げになる
のであれば構わないのですが、長い歴史と技術の蓄積がある天井仕上げを表現
手段として考慮しないとすればもったいないことだと思います。







///// 03 建築材料めぐり //////

建物と建築材料の関係を考えながら、メーカーのホームページを通じてそれぞ
れの材料を紹介させていただきます。


   No23 「造作ユニット」

造作ユニットとは既製部材、既製部品、既製家具のことを指します。例えば塩
ビシート(オレフィンシート等)が貼付け済の巾木、額縁、カーテンボックス
、や造付けとなる下駄箱、堀こたつセット、階段ユニットなど、持ってきて取
り付ければ使用可能な部材、家具等です。造作ユニットは品質の安定、大量生
産による安価供給、工期の短縮などを可能にするために生まれてきました。逆
の見方をすると技術力の低下、人手不足、工事金額の不足などから必要悪とし
て生まれてきた背景もあります。

ネガティブな印象を持たれる方も居られるかもしれませんが、住宅の床下収納
や天井裏収納はしごセットのように既製品でなければ製作が不可能に近いもの
も有ります。大変便利な機能を一般に普及させていることは事実です。うまく
生活の中に取り入れていく必要があると思います。

造作ユニットを使用する際の注意点としては、数社の造作ユニットを使用する
場合色が合わなくなるので注意が必要です。同材、同色でも違う色になること
がよくあります。また規格寸法が決まっているのでそれに合わせて設計をしな
ければなりません。さらに書院床の間セットのように、本来手の込んだ作業が
必要な部分は一見してユニットものであることがわかるので安易な使用は避け
るべきだと思います。

造作ユニットはハウスメーカーや集合住宅で大量に使われています。それだけ
に多くの実例があり、壊れにくく便利なものになっています。種類もデザイン
も多様になりました。ただし、手間がかかる工程と合理性は相反する部分があ
り造作ユニットではつくることが出来ないものもあります。大切なことは知っ
て納得して使う(使わない)ことではないでしょうか。


永大産業
http://www.eidai.com/index.html
お客様サポートのページは参考になります。

大建工業
http://www.daiken.jp/
木質系住宅建材メーカーとしては永大産業と双璧をなしています。

ウッドワン
http://www.woodone.co.jp/index.html
2002年に住建産業から社名変更。シュミレーションのページは役に立つかも知
れません。

パナソニック電工
http://sumai.panasonic.jp/interior/
工夫が感じられる製品がたくさんあります。

朝日ウッドテック
http://www.woodtec.co.jp/index.html
「銘木の大衆化」を創立以来掲げているメーカーです。

アイカ工業
http://www.aica.co.jp/index.html
メラミンを使った製品を揃えています。モダンなデザインが特徴です。










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■コモンプレイス スタジオは建築士事務所です。

 事務所を移動しました。小さな事務所ですが打合せスペースを設けましたの
 で住宅設計について何かご相談がある方は是非お越しください。(相談は無
 料です。)不在のことも多いので、おいでくださる方は事前に電話またはメ
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 で健康的な住宅をご依頼主に提供します。

 ご依頼主との対話を重視し、アイディアを提供し着実に理想の家創りを進め
 て行きます。

 誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指しております
 ので是非ホームページをご覧ください。

                   http://www.commonplace.jp/

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【発 行】コモンプレイス スタジオ        commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘               masahiro ikezawa

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