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『これからの住宅設計』(ID:0000230971) 読者登録解除フォーム
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・・・・・・バックナンバー第030号

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  ・・・これからの住宅設計・・・      第030号(2007.12.27)

   建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
                published by commonplace studio
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「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を、読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。

建築設計、住宅設計に関わる話題を取り上げ、住宅設計者としての経験や理念
をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機会を提供するこ
とを目指しています。

読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。



                        コモンプレイス スタジオ
                          代表  池澤 雅弘

※隔週刊でお届けしておりましたが、なかなか仕事の都合等で決められた曜日
 にお届けできない状況が続いています。誠に勝手ながら月2回程度の発行を
 基本とした不定期発行とさせていただきます。大変申し訳ございません。
 これからも変らぬ御愛顧をいただければ幸いです。


※バックナンバーは下記ホームページでも御覧いただけます。
 誤字等も含めて、記事の訂正が必要な場合は、ホームページ上で修正させて
 いただいています。

                      http://www.commonplace.jp/



■目次

 01 今週のコラム--------------「守られた空間」
 02 住宅設計入門--------------No.30 住宅の配置
 03 建築材料めぐり------------No.04 システムキッチン
 04 師の言葉------------------心に残った建築に関わる言葉 



///// 01 今週のコラム //////


「守られた空間」

マンションの設計を長い間していると、多くのクレームに出会います。最近は
工事自体の問題ではなく、隣の住戸の音が聴こえるとか給気口から入ってくる
風が冷たいといった個人的な感覚によるものが増えてきています。特に音に関
しては全く気にしない入居者もいれば、ごく僅かな音でも凄く気になる入居者
もいて対応に困ることがよくあります。

現在のマンションは音に関して相当神経質に設計時点から配慮しています。私
の感覚では住宅密集地域の戸建木造住宅で隣の住宅から聴こえて来る音よりも
静かな環境を提供していると思います。しかしそれでも周囲の音を完全に排除
することは不可能なので、大きな音がすれば聴こえてしまいます。マンション
は不特定の方が入居するので、音に対して神経質な方が入居すればクレームに
なるので、ディベロッパーはさらに工夫を重ねどんどん重装備になってゆきま
す。

この状況が続いて行くことによって、将来どのような住環境が得られるのでし
ょうか。私は究極的には日常に感動も教訓も生み出さない住環境をつくりだし
てしまいそうで心配しています。雨風の音も、隣の子供の泣き声も、完全に排
除してしまう「守られた空間」は何の彩もない生活を生み出してしまうのでは
ないでしょうか。また「守られた空間」に住む人々は外部に気を使わず好きな
ことが出来るようになり、そこで育った子供たちは周囲に気を使うことが出来
る大人に成長出来るかどうか疑問に感じます。

音について触れましたが暑さ寒さに関しても同じようなことが言えます。環境
問題が重視される中、省エネルギー住宅がもてはやされていて、複層ガラス
(エコガラス)や断熱性能が高い壁を用いた住宅は確かに環境にやさしく冷暖
房費の節約にもなると思いますが、窓を一年中閉ざしているような住環境が本
当に快適といえるのでしょうか。適度に寒いときは寒く、暑いときは暑く感じ
るような住環境が必ず必要になるときが来ると思います。外は厳しい気候なの
でせめて家の中は快適にと考えることは理解できますが、限度を過ぎれば人間
が本来持っている体調維持に関わる調整機能が衰え、変化の少ない環境は感情
の起伏を生じさせず正常な情緒を育むことが出来なくなるような気がします。

人は時間とお金を割いて非日常空間を求め高い山に登ったり、遠い場所に旅行
に行ったりして外的刺激を求めます。昔は身の回りにも刺激的なことがあった
のではないでしょうか。私も子供の頃、寒い部屋でコタツの中でからだを丸め
ながら窓の外の深々と降り積もる雪を眺めたり、布団の中で雷の轟音に震えて
いたことを思い出します。快適性を追求することは大切だと思いますが、度が
過ぎれば失うものもあります。生活空間を見直し、人が日常の中で適度な刺激
を受けられる設計手法が求められる時期に来ていると思います。





///// 02 住宅設計入門 //////

ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に関するアドバイス
をさせていただきます。

第30回のテーマは「住宅の配置」

住宅を設計するときに先ず配置計画をしなければなりません。敷地の広さ形状
、道路と敷地の関係、近隣の建物の状況などの影響を考え決めてゆきます。中
高層の建物では法規的な条件が厳しく容積を確保する為に自然に大体の配置が
決まってしまいます。それでも高さを押えて幅を広くするか、フロアー当たり
の面積を押さえ高さを確保するかといった選択はあります。

住宅の場合規制がそれ程厳しくないので、狭小な敷地以外は割りと自由に配置
計画を考えることが出来ます。しかし自由であることは逆に決め手が無く、ど
のようなプランにするかよく検討して配置計画を進めなければなりません。

一般的な配置計画は南側に庭を確保し、住宅の長手の間口を庭に向ける南面配
置と呼ばれる形式です。道路がある面に玄関を配置して、南側に居間、洋室を
配置し、水廻りを北側に集めると大体のプランが出来上がります。日の当たる
庭が確保でき、居室の採光、通風の確保もしやすくなります。ただし敷地が小
さい為に建坪が押えられた場合、必ずしも期待通りの結果が得られません。面
積が小さい住宅は住宅の北側に水廻りを集めると通風がしにくくなります。そ
の場合北側に庭を少し残し、居間の南側と北側に窓を設けるような計画をしま
す。南側の庭が狭く成りますが、通風を確保でき均斉の取れた採光が期待でき
ます。1階が居間食堂と水廻りのみの構成になっている住宅はこの配置をよく
使います。

ロの字型またはコの時型のプランは敷地外の影響を受けにくく中庭を有効に活
用でき、日の当たらない北側に室を最小限におさえることが出来るので住環境
を整えるのに効果的な配置です。また同じ家の他の部屋を見ることが出来、空
間に奥行を感じることが出来ます。この配置を行う為にはある程度広い敷地面
積が必要で、平面的に廊下が長くなる傾向があります。

敷地が狭くても奥行の深い敷地であれば、敷地境界線付近に四方壁を立て敷地
手前に室をつくり、その先に庭、その奥に室といった庭を挟むような平面にす
ればそれ程大きな敷地でなくても中庭のある住宅ををつくることが出来ます。
安藤忠雄さんの「住吉の長屋」と同じような構成になります。室と室を繋ぐ屋
根はあった方が良いと思われる方は多いと思いますので中庭を少し小さくして
廊下をつくります。

良い住環境を手に入れるためには、しっかりとした配置計画が必要です。住宅
の場合自由度が高いので、疎かにしてしまう傾向にありますが熟慮すればそれ
だけ効果が得られます。また平面計画が上手く行かなくなったときは配置計画
に戻って計画を練り直すことが大切です。





///// 03 建築材料めぐり //////

建物と建築材料の関係を考えながら、メーカーのホームページを通じてそれぞ
れの材料を紹介させていただきます。


   No04 「システムキッチン」

近年、住宅ににおけるキッチンの重要性はとても高まり、キッチンを中心に住
空間が構成されていると言ってもそれ程外れていない状況です。特にnLDKとい
われるモダンリビングスタイルの住宅ではキッチンとダイニングルーム、リビ
ングルームの関係性が強く、明るくて清潔で使いやすいキッチンが求められま
す。

システムキッチンの多くは幅約150ミリの倍数の箱を組み合わせ、室の大きさ
に合わせて構成します。多くのメーカーが使い勝手の良いキッチンを開発提供
しています。デザインも様々で機能も充実しいて、何をお勧めすればよいか困
ってしまいます。下記に挙げるメーカーを御覧いただければその状況をご理解
いただけると思います。

特筆するとすれば、サンウエーブのスタイルキッチンが上げられます。以前に
このコラム(第011号)で取り上げさせていただきましたが、IHヒーターを使
用することによりレンジフードをなくした今までにないキッチンです。また
TOTOのフレームキッチンも個性的で存在感を誇示しています。殆どキッチンの
デザインは扉の表面材がデザインの要ですが、フレームキッチンはステンレス
のフレームで構成され、自由度が高くシンプルで美しいキッチンをつくること
が出来ます。

なかなか気に入ったキッチンに巡り合えない場合、セミオーダーでキッチンを
つくってみても良いかもしれません。下記のハウゼやキッチンハウスでは個性
的で美しいセミオーダーキッチンをつくることが出来ます。

システムキッチンはとても高価で長い間使うものですから、モデルルームに通
って実物を見てしっかり検討してから購入を決めるべきです。また最近の傾向
として「オール電化」「食器洗機」「ユニバーサルデザイン」といったキーワ
ードが重要視されますので、これらに対する自分の意見を用意しておくと選択
の決め手になるかも知れません。


サンウエーブ  http://www.sunwave.co.jp/products/kitchen/index.html

TOTOシステムキッチン http://www.toto.co.jp/products/zone/kitchen.htm

トステム(キッチン)   http://www.tostem.co.jp/lineup/kitchen/

ナショナル-システムキッチン  http://national.jp/sumai/kitchen/

クリナップ(キッチン) http://www.cleanup.co.jp/kitchen/index.shtml

INAX-システムキッチン    
http://www.inax.co.jp/products/kitchen/contents/living_kitchen/
index.html


ヤマハ-システムキッチン  
http://www.yamaha-living.co.jp/product/kitchen/index.html

タカラスタンダード-システムキッチン
http://www.takara-standard.co.jp/product/system_kitchen/index.html

ミカド-システムキッチン 
http://www.micado-kitchen.com/user/kitchen/index.html

ハウゼ 
http://www.ozone.co.jp/showroom_shop/showroom/hauze/index.html

キッチンハウス  http://www.kitchenhouse.jp/





///// 04 師の言葉 /////

私が実際に接した建築家、恩師、仕事仲間や書籍等のなかで印象に残った言葉
を紹介させていただきます。


   「人生の最後が一番良くなるように道を歩まなければいけない」

私が長く勤めていた設計事務所の所長と一緒に昼食をとっている時に言われた
言葉です。色々と紆余曲折があったとしても、人生の最後が一番良くなるよう
に努力しなければならないいうことです。だから目先のことに惑わされず、も
っと先を考えて行動した方が良いということを伝えたかったのだと思います。
人生の最後はいつ来るか解からないわけですから、先のことばかり考えて行動
しても、やりたいことをやらずに最後になってしまうこともあるわけで素直に
受け入れられない言葉ですが、人生のピークを最晩年に持っていくことは常に
夢を持ち続けることが出来るわけで理想的といえるかも知れません。特に建築
家は生涯現役として仕事をする人が多いので尚更です。

人生の最晩年は耐力が衰え、気力も衰え、子供たちは巣立ち、伴侶に先立たれ
ることもあると思います。そのような状況の中で人生のピークを迎えるのは大
変難しいことです。しかし厳しい状況だからこそ、何かが必要なわけでそれを
求めて人生を歩むことは今現在の生活を充実させることに繋がるのでは無いで
しょうか。結局自分の決めた道を貫き通すしかないように感じます。常に手が
届きそうで届かないものを追い求めれば成長し続けられ最晩年にピークが訪れ
るはずです。

この言葉聞かせてくれた所長は当時60代前半で事務所の経営状況も良い時期で
した。その後世の中の不況に伴い、非常に厳しい状況に追い込まれる訳ですが
、すさまじい気力で事務所を維持していました。今現在所長の人生は最後を迎
えていませんが、建築家としては最後が一番良くなる結果を残せなかったよう
です。私より遥かに建築家としての能力が高く人間的なスケールも大きかった
所長でも理想を貫けなかったことに世の無常を感じてしまいます。しかし最後
の気力を近くで感じることが出来、多くのことを学ばせていただき感謝してい
ます。所長が建築家の仕事をやり遂げた後、さらに人生のピークが訪れるとす
れば私の想像が及ばない領域です。ただそうあって欲しいと心のどこかで願っ
ています。


※長い間連載させていただきました「師の言葉」は今回で終了させていただき
ます。私自身の経験をお伝えすることに意味を感じ連載を開始しましたが、回
を重ねるに従い個人的な経験を発信する場としてメールマガジンが適切かどう
か疑問も感じてきました。今後は不定期にホームページ上に同様の記事を掲載
して行きたいと思います。長い間ご愛読ありがとうございました。





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■コモンプレイス スタジオは建築士事務所です。

 住宅の設計依頼は勿論、設計事務所の敷居が高く感じているお客さまに対し
 てメニューを用意しています。

1.お客様が書いたスケッチから設計図を作ります。工務店に設計施工を任せて
 しまう場合図面があるとお客さまの意図が明確に伝わり、自分の理想に近い
 形で家創りが進められます。

2.工務店に全てを任せてしまうと工事が進むうちに不安になることや、疑問点
 が出てくると思います。そのような場合のアドバイスを行います。

3.マンション購入の際、フリープラン等のオプションがある場合に図面を作成
 し、お客様の理想に近い空間を作るお手伝いをします。

その他、誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指してお
りますので是非ホームページをご覧ください。

                    http://www.commonplace.jp/
                    
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【発 行】コモンプレイス スタジオ       commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘               masahiro ikezawa
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