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『これからの住宅設計』(ID:0000230971) 読者登録解除フォーム
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■ メールマガジン
・・・・・・・バックナンバー第010号

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 ・・・これからの住宅設計・・・      第010号(2007.06.04)

   建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
                published by commonplace studio
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---------住宅間取り図の無料チェック始めました。 
               ホームページをご覧ください。------------

「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を、読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。

耳寄り情報やお買い得情報は余り掲載できないと思いますが、住宅設計者とし
ての経験や理念をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機
会を提供することを目指しています。

読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。



                        コモンプレイス スタジオ
                          代表  池澤 雅弘


※バックナンバーは下記ホームページでも御覧いただけます。
 誤字等も含めて、記事の訂正が必要な場合は、ホームページ上で修正させて
 いただいています。

                      http://www.commonplace.jp/


■目次

 01 今週のコラム--------------変った材料の家具
 02 住宅設計入門--------------No.10 キッチンとLDの関係
 03 マンションの完成まで------No.10 パース、模型の作成
 04 建築の本棚----------------建築の本の紹介
 05 師の言葉------------------心に残った建築に関わる言葉



///// 01 今週のコラム //////

「変った材料の家具」

皆様は「家具の材料」と聞いたら何を思い浮かべますか。恐らく一番に思い浮
かべるのは木で、次にスチールやFRP(繊維強化プラスチック)等だと思いま
す。また仕上材ということであれば、レザーシートや布やメラミンを挙げる人
が多いかも知れません。

最近は家具の材料は多様化していて、材料の特徴をよく生かした家具が作られ
ています。(株)SUSのブランドecomsのアルミ家具は、アルミ押し出し材を利
用した家具を作っています。ガラスと組み合わせたテーブルや赤いレザーを使
った椅子があり、素材を生かしたデザインだと思います。押し出し材の小口が
見える部分は、好き嫌いが分かれるかも知れません。

イタリアの家具メーカー、カルテルではポリカーボネートで出来た椅子を発表
しています。透明で淡く色づいたセンスのいい椅子に仕上がっています。プラ
スチック系の材料は安っぽく見てしまいがちですが、この作品はその印象を凌
駕しています。素材の特性を生かしたデザインが素晴らしいと思いました。

アクリル家具を製造している(有)ワーズウィズはアクリルの素材感を見事に
表現した家具を作っています。こちらは日常から離れたイメージがあるデザイ
ンですが、どれもとても美しく仕上がっています。さり気なく、一つ部屋の中
に置かれていると、オブジェとして効果的かも知れません。ホームページ上に
素材や寸法の説明がないのは残念ですが、一度御覧になってください。アクリ
ルの美しさに驚かれると思います。

材料があってのデザインなのか、デザインに合った材料なのか色々なケースが
あると思いますが、多様な材料の利用は多くの可能性を導き出します。工業技
術の進歩により、今まで表現出来なかったことが出来るようになったことが、
デザインの領域を広げたといえるかも知れません。今後、新しい材料によって
出来た家具が生活の中でどの様に取り入れられるか楽しみです。


(株)SUS ecoms
http://www.sus.co.jp/ecoms/ark.html

カルテル
http://www.kartell.it/

(有)ワーズウィズ
http://www.waazwiz.com/







///// 02 住宅設計入門 //////

ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に対するアドバイス
をさせていただきます。

第10回のテーマは「キッチンとLDの関係」

住宅の中で日常生活に一番関わり深い場所は、寛ぎの場であるリビングダイニ
ングルーム(LD)だと思います。そしてLDとキッチンの関係をどうするか
によって、LDの環境は相当変ってきます。

昔の台所は家の北側の日が当たらない場所に、孤立して設けられていましたが
、モダンリビングが普及している現在、キッチンは住宅の重要な要素になりつ
つあります。マンションの設計に於いても、住戸プランの形式は広さとキッチ
ンタイプで分類されることが一般的です。

キッチンとダイニングの関係を大きく分けると、独立型、対面型、オープンキ
ッチンの3種類に分けられます。さらにLDとの間にどれだけ壁を設けるかに
よってそれぞれ開放感が違ってきます。

独立型であれば、キッチン内の乱雑な部分がLDに影響を及ぼさない利点はあ
りますが、家事をする人が孤立する欠点があります。またサービスの点でワゴ
ンなどを利用して、食卓に食事を運ぶ不便さがあります。対面式であれば、子
供の様子を見ながら家事をすることができ、サービスの点でも有利です。さら
にオープンキッチンにしてしまえば、家族が自由に調理に参加したり、より深
いコミュニケーションが築けます。ただし開放度が高くなればそれだけ、キッ
チンの乱雑さは露出されます。

上記のタイプは基本ですが、配置的には独立型でも開口を大きく取ったり、ガ
ラス窓をつけて開放感を創りだすことは出来ます。またオープンキッチンであ
っても収納を上手く配置すれば、キッチンの乱雑さはなくなります。理想を決
めたらじっくりと創りこめば、愛着のあるキッチンが出来ると思います。

キッチンは長時間作業をする場所なので、明るく、居心地がよく、美しくなけ
ればいけません。そしてキッチンとLDの関係によって、生活形態は大きく変
ってきます。どの様なキッチンが理想か、はっきり認識して家創りを進めるこ
とはとても大切です。






///// 03 マンションの完成まで //////

マンション設計の依頼から竣工にいたる出来事を、設計事務所の立場から紹介
させていただきます。マンションはどうやってできるのか、どれだけの作業が
必要なのかご理解いただければ幸いです。


   No10 「パース、模型の作成」

広告関係ではパンフレットの他に、完成見取図(パース)を描き模型を作りま
す。広告代理店を通して専門の業者に製作してもらうのですが、こちらのチェ
ックも大変です。図面からはなかなか読み取ることは出来ない部分も多く、詳
細な打合せが必要になります。

パースや模型を作成する時に必要になるのは、仕上げの決定作業です。大体の
イメージはできているのですが、どんな仕上材をどの様に用いるか決定しなけ
ればなりません。実際は出来上がったパースの下書きを見て決まることも多く
、それによって設計図を変更することも良くあります。

パースや模型は購入を検討している方が、全体のイメージを思い浮かべられる
ように作成するものですので、設計図のように緻密な正確さは求められません
が、あまり省略をすると問題になります。大きな全体図であっても購入される
方は自分が購入する住戸周辺を細かく見るからです。小さな窓を省略したり、
掃きだし窓を腰窓で描いていたりするとクレームになります。購入者の立場に
なって、チェックを進めることが大切です。

パンフレット、パース、模型は直接担当しているものでなければチェック出来
ません。また実施設計の時期に重なることが多く、忙しさのピークに達します
。徹夜で図面を仕上げた後、夕方から模型のチェックというようなスケジュー
ルもありました。分業が不可能な作業はどうしても厳しい状況になってしまい
ます。ただ完成した姿が次々とできて来る作業は、設計者として楽しい作業で
す。それで何とかめげずに頑張ることができているのだと思います。

本当は出来上がった状態を見て購入していただくのが一番良いのですが、マン
ションは完成即引渡しが原則なので、どの物件も竣工時完売を目指しています
。それは銀行への借入金の返済や売れ残りによる販売価格の下落(竣工1年で
中古物件になってしまいます)などが関係しています。ただ細かい精算は解か
らないのですが、広告費用は相当かけているので、どちらが利益を生み出すの
か疑問もあります。場所や条件を精査すればいろいろな方法が考えられるよう
な気もします。設計事務所としては、パースや模型を見ることが出来るのは楽
しい部分もありますが、不合理を感じることも時々あります。


次回はモデルルームの建設を紹介させていただきます。





///// 04 建築の本棚 /////

建築に関わる仕事をしている以外の方でも、楽しんでいただける建築関係の本
を選んで紹介させていただきます。

今回紹介させていただく本は

    
    「現代建築のパースペクティブ」       五十嵐太郎 著
                      光文社新書  850円+税

第002号で同じ五十嵐太郎さんの「現代建築に関する16章」を紹介させていた
だきましたが、今回も一般向けに書かれた新書です。帯には「巨大インテリジ
ェントビルから個人住宅までの現代を代表する建築の見方・愉しみ方を提案す
る」と書かれているように、現代建築の見方を教えてくれる本です。

取り上げられているのは、ポストモダン以降にできた建築で、最近竣工した作
品が中心です。一口に建物の見方といっても、形態や大きさ、用途に関わる解
説ではなく、その建物の背景にある潮流を解かりやすく説明しています。

私が建築の仕事を始めた頃は、ポストモダン後期の時期で、卒業設計にもその
影響を受けていたことを思い出します。現在は明らかにポストモダンの派手な
デザインからシンプルでセンスが問われるデザインに変ってきています。建築
のデザインは、一度多くの要素を受け入れ(ポストモダン)それが否定された
後、何を含有させながらデザインしていけばよいか難しい時代があったと思い
ますが、最近の建築もシンプルでありながら実に多くの要素を含んでいること
をこの本は教えてくれます。

「住宅を訪問する」の章では実際に作品を訪れ空間の体験談が語られ、「車か
ら観察する」という章では風景としての現代建築を興味深く解説しています。
最後に「日本の建築家たち」という章で歴史的側面から現代建築を解説してい
て、構成的にも充実した内容になっています。お手軽に手に入れられると思い
ますので、是非お読みください。





///// 05 師の言葉 /////

私が実際に接した建築家や書籍のなかで印象に残った言葉を紹介させていただ
きます。


    「建築の設計は決めることが仕事だ」

この言葉は建築の仕事を始めて間もない頃、先輩所員から聞いた言葉です。当
たり前のように感じると思われますが、「物事を決める」ことがとても大変で
あることを認識した言葉です。

仕事に就いて実際に図面を描き始めると、一つ一つの納まりに関して手が止ま
ってしまいます。自分で判断することができないので、その度に先輩所員の方
にどうすれば良いか伺っていたのですが、その過程の繰り返しに音を上げると
「建築の設計は決めることが仕事だ」と言われました。

学生の頃は法規や工事費を考えずに設計製図課題をこなして来ましたが、現実
はそうは行きません。どんなにいいアイディアを持っていても、それだけでは
誰も動いてくれません。技術的な裏付けも必要で、多くの要因から判断して図
面を描かなければなりません。「決める」ことは経験が必要だだし、重い責任
が掛かってきます。そして設計者が決めなければ、設計図はできず建設事業は
スタートしないのです。

自信を持って物事を決めることができるようになり、始めて一人前の設計者で
あることを痛感した言葉でした。


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■コモンプレイス スタジオは建築士事務所です。

 住宅の設計依頼は勿論、設計事務所の敷居が高く感じているお客さまに対し
 てメニューを用意しています。

1.お客様が書いたスケッチから設計図を作ります。工務店に設計施工を任せて
 しまう場合図面があるとお客さまの意図が明確に伝わり、自分の理想に近い
 形で家創りが進められます。

2.工務店に全てを任せてしまうと工事が進むうちに不安になることや、疑問点
 が出てくると思います。そのような場合のアドバイスを行います。

3.マンション購入の際、フリープラン等のオプションがある場合に図面を作成
 し、お客様の理想に近い空間を作るお手伝いをします。

その他、誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指してお
りますので是非ホームページをご覧ください。

                  http://www.commonplace.jp/
                    
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【発 行】コモンプレイス スタジオ   commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘           masahiro ikezawa
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