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『これからの住宅設計』(ID:0000230971) 読者登録解除フォーム
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■ メールマガジン
・・・・・・・バックナンバー第013号

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  ・・・これからの住宅設計・・・      第013号(2007.06.25)

   建築設計者の立場から住宅を考えるヒントを提供します。
                published by commonplace studio
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---------住宅間取り図の無料チェック始めました。 
               ホームページをご覧ください。------------

「これからの住宅設計」は戸建住宅や集合住宅(マンション)またそれらの改
修等、生活空間を作ること全般を題材にして、設計者の視点から住宅の在り方
を、読者の方々と一緒に考えてゆくメールマガジンです。

建築設計、住宅設計に関わる話題を取り上げ、住宅設計者としての経験や理念
をお話することにより、家創りについて違った視線で考える機会を提供するこ
とを目指しています。

読者の方々が住宅を設計する過程に触れることにより、家創りについて何か新
しいことを発見していただければ幸いです。



                        コモンプレイス スタジオ
                          代表  池澤 雅弘


※バックナンバーは下記ホームページでも御覧いただけます。
 誤字等も含めて、記事の訂正が必要な場合は、ホームページ上で修正させて
 いただいています。

                      http://www.commonplace.jp/


■目次

 01 今週のコラム--------------アルフレックスの家具
 02 住宅設計入門--------------No.13 風通しを考える
 03 マンションの完成まで------No.13 工事監理-地縄張り
 04 建築の本棚----------------建築の本の紹介
 05 師の言葉------------------心に残った建築に関わる言葉



///// 01 今週のコラム //////


「アルフレックス(arflex)の家具」

アルフレックス(arflex)は家具のメーカーです。新宿の伊勢丹にアルフレッ
クスの取扱店があるので、買い物ついでによく家具を見に行きます。シンプル
で機能美に優れたデザインが多く、特に木のフレームを生かした椅子やテーブ
ルが気に入っています。今回は最近発表された家具の中から幾つか紹介させて
いただきたいと思います。下記のホームページをご参照ください。

ADT02は日本的なデザインのテーブルです。シンプルですが黒色のスチー
ルで構成材を分離させたことにより、天板と脚部が独立していてそれぞれ存在
感があります。構成材を分解し直線的に表現しているのは、日本建築の意匠と
通じる部分があると思います。ただこのテーブルは置き場所を選ぶかも知れま
せん。個人的な意見ですが、主張が明確なので日常性から離れているような気
もします。住宅よりも店舗(飲食店)で使われたほうが良いのではないでしょ
うか。明確に意図が伝わり優れた抽象性があるデザインですが、象徴的で独立
性も強いので、撫で回したくなるような感情を生み出す家具ではないかも知れ
ません。

もう一つシンプルなテーブルを紹介させていただきます。ADT03はテーブ
ルを物体化したようなデザインです。水平に延びた天板が美しく、見事なプロ
ポーションをしています。こちらはどこにおいても空間になじむデザインだと
思います。LDに2700幅のこのテーブルを置いて、食卓兼居間のテーブルにして
も面白いかもしれません。家族が自然に集まる大きなテーブルがあると生活が
大きく変わります。

2005年の作品になりますがRENAという椅子があります。バランスがよく軽
やかでとても美しい椅子です。利発な動物を連想してしまいます。木目も綺麗
で、足と背もたれの角度も微妙で琴線に触れます。長い間見ていても飽きない
作品だと思います。

シンプルな家具に共通して言えることは、ディテールがしっかりしていないと
成立たないデザインであるということです。簡素で綺麗にまとまった姿は、長
い間接していく中で何かを教えてくれます。

アルフレックスはプランニングサービスやインテリアエレメントの用意もある
ので、トータルにインテリアを考えたい場合に利用しても良いかもしれません
。アルフレックスのホームページは知りたい情報が調べやすく、よく出来てい
ると思います。是非御覧になってください。


株式会社 アルフレックス ジャパン
http://www.arflex.co.jp/index.html





///// 02 住宅設計入門 //////

ここでは、一般の方を対象に毎回テーマを決めて建築設計に関するアドバイス
をさせていただきます。

第13回のテーマは「風通しを考える」

季節は梅雨ですが、住宅を設計する上で日本の気候風土を考え風通しに配慮す
ることは大切です。間取りを考えているとどうしても、南側に居室(LD、寝室
、子供部屋等)を並べてしまい、北側に水廻りや収納が集まる傾向があると思
います。しかし、これでは夏に吹く南から北に抜ける風を通すことが出来ませ
ん。

1階にLD、キッチン、玄関、水廻り等、2階に主寝室、子供部屋といった一般
的な住宅を例にさせていただくと、1階のポイントはLDの配置にあると思いま
す。LDは南側に横長に配置してしまいがちですが、風通しを考えると南北に縦
長に配置したほうが効果的です。また南北に大きな窓を取れるので、より均一
な採光を確保できます。北側に小さな庭を取り植栽を植えれば、南北に繋がる
広がりのある空間を創ることが出来ます。明るい部屋は魅力的だと思いますが
、全面南側の必要があるかどうかよく考えてみることが大切です。せっかく南
側に居間を配置しても、道に面したマンションの1階などでは、プライバシー
確保のため一日中カーテンが閉めっ放しの部屋があります。このような状況に
なるのなら、南側に居間を持ってくることにこだわらないほうが良いと思うこ
ともあります。

2階はホールと吹抜けを設けて、通風を確保します。階段にも窓を設けて開口
面積をなるべく多く確保しましょう。吹抜けを設ければ、1階の風を上手く抜
くことも出来とても効果的です。どの部屋からも入口を開ければ通風が出来る
ようになります。2階の窓は防犯的にも常開にしやすく、風を抜く場所として
理想的です。

居室は南、その他は北と決めてしまって部屋を配置してしまうことがあると思
いますが、色々な要素を取り入れて多くのパターンを創ってみることをお勧め
します。一つ創ってしまうと崩すのは結構大変ですが、沢山創って重ね合わせ
て理想に近づける過程は大切です。





///// 03 マンションの完成まで //////

マンション設計の依頼から竣工にいたる出来事を、設計事務所の立場から紹介
させていただきます。マンションはどうやってできるのか、どれだけの作業が
必要なのかご理解いただければ幸いです。


   No13 「工事監理-地縄張り」

設計事務所は現場が始まると、工事監理をすることになります。監理とは工事
が法律上、設計仕様上適切に行われるように指示確認を行うことです。建設会
社の現場所長が行うのは同じカンリでも「工事管理」と書いて多くの職人を束
ねて工事が計画通りに進行するように指示監督を行います。

工事監理の具体的な仕事としては、検査の立会、結果の確認、施工図のチェッ
ク、設計変更の対応、現場からの質疑回答、工程の確認、官公庁への対応等で
す。施主からの要望で工事期間中に変更をすることもあり、現場との調整も行
います。今後、しばらくの期間マンション工事進行に従って、工事監理の内容
を紹介させていただきます。

工事を始めて最初に行う作業が地縄張りです。地縄張りは建物の配置を決める
作業で、測量技師が入って正確に位置を決めて行きます。設計事務所は位置を
確認する作業を行いますが、最初に決めた位置で最後まで作業が進められます
のでとても重要な仕事です。杭を打ち始めたら、動かすことは出来ません。

敷地が測量図と完全に一致していれば問題はありませんが、数センチの誤差は
発生する可能性があります。特に都心のマンションは敷地に全く余裕が無いケ
ースが多く、調整が難しくなります。そこで重要なポイントになる部分で、設
計時に寸法に余裕を見ておく必要があります。例えば道路斜線といって道路か
らの距離が問題になる法律があるのですが、実際は図面上道路から2メートル3
センチ取れていても、2メートルと記入して確認申請を通しておきます。そうす
れば敷地に誤差が生じても道路側に3センチまでなら移動できます。建設会社
も測量技師もそこまでは把握していないので、調整が必要になった時に的確に
指示を出さなければなりません。

また近隣の塀の基礎がこちらの敷地に出っ張っていたり、排水管がこちらに入
ってきたりしているのが、地縄張りをしているときに見つかることが良くあり
ます。隣地との境界の確認は既に終わっているのですが、建物を解体して更地
にしてみると後から見つかるものも出てきます。敷地を用意するのは施主側の
責任になりますので、施主に報告して問題がないように対応してもらいます。

次回は杭工事、基礎工事をご紹介します。





///// 04 建築の本棚 /////

建築に関わる仕事をしている以外の方でも、楽しんでいただける建築関係の本
を選んで紹介させていただきます。

今回紹介させていただく本は

    
     「いい家をつくりたい」
                           室伏次郎 著
                        光芒社  1800円+税

著者の室伏次郎氏は都市住宅を中心に作品を作ってきたは建築家です。自分の
考えを基に作品を作り出し、社会に媚を売るような部分はありません。作品は
、個性的ではありますが自然体で、多くの意図を感じ取ることができます。

この本の前半は、室伏さんに設計を依頼し住み続けた施主のインタビューに始
まります。取材者は建築評論家の植田実さんで、室伏さん本人ではありません
から正直な言葉も出てきます。本のタイトルでもある「いい家」とは何かをイ
ンタビューの中から感じます。家に対する考え方は人それぞれですが、室伏さ
んの作品には生活の本質を突いた強いメッセージがあると思います。それに影
響を受けたと答える施主は、実は生活に影響を及ぼしてくれるような建築家を
自ら選らんでそれを楽しんだのではないでしょうか。そんな喜びを感じ取るこ
とが出来ます。

室伏さんは1960年代の後半、タイの学校プロジェクトに参加しています。恐ら
くそこで生活の本質を正面から考えるようになったように感じます。作品に良
く見られる荒々しいコンクリートはそこから生まれた生命感を意図しているの
ではないでしょうか。私も含めて住宅を設計するものは、商業的ペースに巻き
込まれがちです。もっと本当に必要なもの、確かなものを考える必要があると
思います。

後半には版画家の山本容子さん、教育学者の佐藤学さん、コピーライターの中
原洋さんと室伏さんの対話が紹介されています。この内、山本さんと中原さん
は室伏さんの施主でもあり、多くの発見がある話を聞かせてくれます。最後の
章では植田実氏が室伏さんの著書「埋め込まれた建築--58章の断章」を基に建
築家室伏次郎の全体像をまとめています。

建築家と一緒に家を建てようと考えている方に、とても参考になる一冊だと思
います。






///// 05 師の言葉 /////

私が実際に接した建築家や書籍のなかで印象に残った言葉を紹介させていただ
きます。


    「技術的なことは自然に覚える」

この言葉は、設計事務所に勤めてから全体をまとめる立場のチーフから言われ
た言葉です。設計における技術的なことは経験を重ねれば自然と覚えるが、全
体をまとめる力は本人が望まなければ身に着けることは出来ないという意味で
す。もっと厳しい言い方をするとそれなりの能力を持ち合わせていなければ、
まとめる立場にはなれないという意味も含みます。私が設計をまとめることを
覚え始めた頃に言われたのですが、とても印象に残っています。

大学を卒業して、実務に就くと解からないことばかりで知識を少しでも増やそ
うと必死になっていましたが、この言葉を聞いてから少し考えが変りました。
勤めて3年ぐらいで、普通の人は図面を描くのに困らない知識が身につきます
が、そこで上司の指示を待って動くようになると、成長は止まってしまいます
。そこから先は、問題に対処する能力、作業の効率性正確性等を自分から身に
着けようとしなければなりません。それには与えられた条件の中で、常に少し
でもいい仕事が出来るように考えながら行動しなければいけないことを強く感
じました。

優れた建築家はデザインが優れているだけではなく、皆仕事も出来、目標を達
成する手段を身に着けています。若い時期から責任を背負って仕事を続けてき
た結果だと思います。


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■コモンプレイス スタジオは建築士事務所です。

 住宅の設計依頼は勿論、設計事務所の敷居が高く感じているお客さまに対し
 てメニューを用意しています。

1.お客様が書いたスケッチから設計図を作ります。工務店に設計施工を任せて
 しまう場合図面があるとお客さまの意図が明確に伝わり、自分の理想に近い
 形で家創りが進められます。

2.工務店に全てを任せてしまうと工事が進むうちに不安になることや、疑問点
 が出てくると思います。そのような場合のアドバイスを行います。

3.マンション購入の際、フリープラン等のオプションがある場合に図面を作成
 し、お客様の理想に近い空間を作るお手伝いをします。

その他、誠心誠意をモットーに豊かな日常空間と建築文化の創造を目指してお
りますので是非ホームページをご覧ください。

                 http://www.commonplace.jp/
                   
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【発 行】コモンプレイス スタジオ   commonplace studio
【編 集】池澤 雅弘          masahiro ikezawa
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